Page 836 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼ステンレスボルトは本当に弱いのでしょうか ろーだみん 06/9/16(土) 13:48 ┗Re:ステンレスボルトは本当に弱いのでしょうか 青ちゃん 06/9/16(土) 15:48 ┗Re:ステンレスボルトは本当に弱いのでしょうか ken 06/9/16(土) 19:17 ┗Re:ステンレスボルトは本当に弱いのでしょうか kuwauser 06/9/17(日) 2:27 ┗Re:ステンレスボルトは本当に弱いのでしょうか 青ちゃん 06/9/17(日) 8:08 ─────────────────────────────────────── ■題名 : ステンレスボルトは本当に弱いのでしょうか ■名前 : ろーだみん ■日付 : 06/9/16(土) 13:48 -------------------------------------------------------------------------
こんにちは. このサイトをはじめ,バイクや車でDIYをやる方のサイトに, 「ステンレスボルトは弱いのでキャリパー取り付けボルトには 使わないこと」という記述を見かけます. しかし,私の経験上,切断に関しては綱よりステンレスのほうが 強く,加工に難儀する,という印象を持っています.従って当然 破断強度も強いと思っておりました. 学術的な根拠をネットで探しましたが, SUS304は綱より弱いと言うサイト http://www.kuzekin.com/seiko.html ステンレスは鋼より強いという研究 http://www.mech.chuo-u.ac.jp/~inouelab/2000/kunitomi.pdf があり,結論を得ませんでした. この件について詳しい事をご存じの方はいらっしゃいますか? |
▼ろーだみんさん: > こんにちは. > >このサイトをはじめ,バイクや車でDIYをやる方のサイトに, >「ステンレスボルトは弱いのでキャリパー取り付けボルトには >使わないこと」という記述を見かけます. > >しかし,私の経験上,切断に関しては綱よりステンレスのほうが >強く,加工に難儀する,という印象を持っています.従って当然 >破断強度も強いと思っておりました. 機械的な強度はやはり鋼製が一般的には強いといわれてます。 参考HP http://www.nssy.co.jp/nisseicatalog/productcap.htm 私や他の方が心配されているのは、よくいわれるステンレスのカジリだと思います。 私もバイク以外で経験しましたが、ナットの締め込みトルクが強いとボルトとナットがカジリつき緩めようと思ってもできずに破断していまったことがありました。 建築現場で屋外機器にもSUS製ボルトナットを使いますがトルク管理に注意しないと、特にホールインアンカーを使った場合悲惨なことになると思います。 ステンレスボルトを使う場合、カジリ防止剤の塗布が必須のようですよ。 http://www.maruemu.co.jp/catalog/original/mcoat.html |
私は仕事で太めのステンレスボルトを使うことがありますが、モリコートという二硫化モリブデンのカジリ防止剤を必ず使います。 以前使わなくて16mmのボルトがかじってしまいえらい目にあいました。 ステンレスボルトの強度についてサイトで調べてみましたが、一般的なステンレスSUS304と鋼SCM435などを比べると鋼の方が強度があるようですね。 高強度・高耐食性ステンレスボルトでやっと鋼と同等の強度になるようです。 http://www.okaso.co.jp/sinsyouhin/stainbolt/stainbolt.htm 私は別のスレッドでキャリパーにステンボルトを使ってしまったと書き、 高張力鋼に替えたほうがいいという意見をいただきました。 早速オートバイ用品店に行きましたが、キャリパー用として売られていたのはステンレスボルトでした、またMOTOBINSで売られているキャリパー用ボルトもステンレスのようです。 |
▼kenさん: >早速オートバイ用品店に行きましたが、キャリパー用として売られていたのはステンレスボルトでした、またMOTOBINSで売られているキャリパー用ボルトもステンレスのようです。 ステンレスと鋼(ここではステンレス以外の)と大ざっぱに分けて語ると混乱を招くことがあるかもしれません。 強度と一言で言っても、剪断あり、曲げに圧縮に引きとその種類は様々です。たとえばオーステナイト組織を持ち高強度化されたステンレス鋼であっても、伸びの項目を見るとSCM435とは少し異ります。どういうことかというと、たとえばキャリパーなどを固定する際に締めつけのトルク管理をすると思いますが同じトルクで締めた時点ですでにボルトの軸力は差異が出てくる可能性がある訳です。管理の際の利便性とともにキャリパーに掛かる応力のうちボルトに対しての伸びに関しては不確定な要素が存在するとみて良いと思います。それでも、塑性域にボルトが入る手前ならば締めつけを増すことで軸力がアップ出来るのではないか、という意見もあるかもしれません。ところが落とし穴。相手はキャストのアルミのキャリパーですから、ねじ山の耐久性の点などでキャリパーの雌ネジが限界を決めてしまうことが有るわけですね。一般に見かけるボルトでバイク用品などで目にするものは未処理のSUS304が多いと思うのですが、BMWの場合にキャリパーの固定ボルトはSCM鋼だと思いましたので、規定のトルクで固定した際に、それで高い軸力が確保出来る訳です。このへんの理由でわざわざ強度ダウンさせない方が良いかもしれませんよと言いたい訳ですね。もちろん、元の材質が45Cの生の材質のボルトであったりするならば、「いいんじゃない錆びなくてオッケーかも」ということになる場合もあります。 少しお高いBMWの純正の銀色のボルトは腐食にも中々耐久性もあってバイク用として良く気を使っています。なので、経験上とってもお勧めということなのです。 金属の材質に興味をもったとき、加工性の難易度から強度を感じてしまうことは、少し経験のある人ほど陥りやすい、ある種の感覚といえましょう。ステンレスの粘り、チタンの靭性はことさらそのように感じさせるものですが、使用する際には目的に合った強度、剛性を確保されているか慎重に相対する必要があると思われます。たとえば、ひとえにチタンボルトといっても耐食性を重視しているものが一般的なもので…ネジ屋の市場では殆どです。バイクやモータースポーツでの強度を必要とする部位に使用できるものは希少です。高い強度を求められる部位に使用出来る配合比のものは何かの部品でOEMで作られることはあっても一般的な寸法規格で手にすることは稀かもしれません。二輪四輪の競技用や航空機の部品として存在することはあると思います。ステンレスにしても同じで440CやATS34など非常に強力な材質があります。これらの素材は強度の強弱を語るとき、互いに入り交じっており、アルミより鉄が強いとか、チタンが強いとか材質のアタマの名称で上下に分類出来るものではありません。 幸いなことにバイクの趣味ではこれらの材料のノウハウを活かして楽しむことが出来ます。有る意味我々は幸せかもしれませんね。 |
▼kuwauserさん: ところが落とし穴。相手はキャストのアルミのキャリパーですから、ねじ山の耐久性の点などでキャリパーの雌ネジが限界を決めてしまうことが有るわけですね。一般に見かけるボルトでバイク用品などで目にするものは未処理のSUS304が多いと思うのですが、BMWの場合にキャリパーの固定ボルトはSCM鋼だと思いましたので、規定のトルクで固定した際に、それで高い軸力が確保出来る訳です。このへんの理由でわざわざ強度ダウンさせない方が良いかもしれませんよと言いたい訳ですね。もちろん、元の材質が45Cの生の材質のボルトであったりするならば、「いいんじゃない錆びなくてオッケーかも」ということになる場合もあります。 >少しお高いBMWの純正の銀色のボルトは腐食にも中々耐久性もあってバイク用として良く気を使っています。なので、経験上とってもお勧めということなのです。 分かりやすい説明ありがとうございます。 普段あまり気にしていなかったことですが、ボルト1本の選択も意味あることだとよく理解できました。 >幸いなことにバイクの趣味ではこれらの材料のノウハウを活かして楽しむことが出来ます。有る意味我々は幸せかもしれませんね。 そうなんですね。 |