内容に関するご質問、ご意見、ご要望(FAQにしてほしい内容)がありましたら
            「コーヒータイム」又は、「メンテナンス」へ書き込んでください。

            注意:
            ・記載されている内容は、車種・年式によって異なる場合があるので、
             リペアマニュアル等で内容を確認してください。
            ・記載されている内容は、「これが正解」とは言えないので、参考として
             役立ててください。
            ・記載されている内容は、個人の経験・雑誌・リペアマニュアル及び、
             OBCの掲示板の書き込みから編集して作成しています。
            ・記載されている作業を行う場合は、全て自己責任で行ってください。
            ・記載されている作業によっては、トルクレンチや特殊工具が必要になる
             場合があります。
            ・作業上外したボルト類は、必ず(出来れば)既定トルクで締め付けてく
             ださい。
            ・作業に自信の無い方は、ディーラー等に相談された上で、ディーラーに作業を
             依頼してください。
            ・FAQ内の作業方法は、ディーラーでの実際の作業方法と異なる場合があります。
            ・DATAに使用されている数値等は、リペアマニュアルの物を使用していますが、
             当時の数値のため現在、変更されている可能性があります。
            ・DATAに使用されている数値等は、手入力で行っている為、入力ミス等があるので
             参考として利用してください。(指摘があれば修正します)
            ・使用している工具のサイズは、車両により異なる場合があります。


            *このFAQに記載されている作業を行なって、何らかの不都合が生じても
             FAQ作成者及びOBC関係者は、感知しません。

            ※トルク管理に関して
              トルクレンチを使用してトルク管理を行なう場合、使用するトルクレンチの種類によって締め付ける
             値を修正する必要があります。

             ・バネ式(ブレード型)の場合、修正は必要ありません。
             ・ラチェット式(プリセット型)の場合、設定するトルク値を1割ほど小さく設定します。
              理由は、ラチェット式の構造上で、ラチェットが外れる時に少し多く締め付けてしまう為です。
              小さなトルク値で締め付けるボルト類(10mm以下)の場合は、特に注意が必要です。

修正履歴
             ・2006/09/29
                ・ダイオードボードのテストの修正
                ・ステーターコイルのテストの修正
                ・スイングアームのオイル交換の修正
                ・スイングアームからのオイル漏れを追加
                ・慣らし運転の方法って?を追加
                ・バッテリーの充電を追加
                ・意外な落とし穴を追加
             ・2006/10/12
                ・レギュレータのテストを修正
                ・インジゲータバルブをLED化を追加
                ・ファイナルギアとディファレンシャルギアの違いを追加



目次

  00   一般的事柄
           ・部品の入手に関して
           ・BMWの「頑丈・壊れない・長持ちする」って本当?
           ・BMWはよく壊れる?
           ・BMW乗りは、お金持ち?
           ・BMWの改造って「有り」なの?
           ・ディーラー以外の人が整備してもいいの?
           ・他のディーラーや他の店で買ったバイクって、ディーラーは見てくれるの?
           ・BMWに年齢制限があるの?
           ・BMWって維持が大変?
           ・2本サスとモノサスってどっちが良いの?
           ・ディーラー以外のお店
           ・4輪屋さん
           ・2V−OHVの欠点
           ・2V−OHVってこんなもん?
 

  11   エンジン関連
           ・DATA
           ・オイル交換
           ・オイルフィルターの交換
           ・タペット調整
           ・スタッドボルトの損傷
           ・プッシュロッドチューブからのオイル漏れ
           ・アイドリングの不調
           ・始動性が悪い
           ・キックでエンジンを掛けたい
           ・暖気運転は必要?
           ・慣らし運転の方法って?
           ・謎の穴?
           ・オイルプレッシャースイッチ

  12   エンジン電送関連
           ・DATA
           ・セルモータのマグネット剥離
           ・レギュレーター
           ・ダイオードボード
           ・オルタネータ
           ・IGコイル
           ・IGコントローラ(ブラックボックス)
 

  13   キャブレター関連
           ・DATA
           ・キャブレターの同調
           ・アクセルワイヤー

  16   ガソリンタンク関連
           ・DATA
           ・レギュラーとハイオクどっちを入れるの
           ・OHV-Rって有鉛ハイオク指定らしいけど
           ・ガソリンがあるのに、ガス欠状態
           ・ガソリンコック
           ・ガソリンタンクの内部が錆だらけ?
           ・タンクキャップが外れない
           ・タンクから伸びているホース

  18   マフラー関連
           ・DATA
           ・マフラー
           ・エキパイナットの外し方

  21   クラッチ関連
           ・DATA
           ・クラッチが切れなくなった
           ・クラッチの切れがおかしい
           ・クラッチワイヤーの調整

  23   ギアボックス関連
           ・DATA
           ・ミッションオイルの交換
           ・ギアボックスの互換性
           ・シフトチェンジ出来ない
           ・キックの取り付け
           ・ギアボックスの分解&修理
           ・シフトペダルのポジションラベル

  26   ドライブシャフト関連
           ・DATA
           ・シャフトオイルの交換
           ・スイングアームからのオイル漏れ
           ・スイングアームのピボットのナット

  31   フロントフォーク関連
           ・DATA
           ・フォークオイルの交換
           ・フォークオイルのシール交換

  32   ハンドル関連
           ・DATA
           ・アップハンドルに交換

  33   リア(ファイナル及びリアショック)関連
           ・DATA
           ・ファイナルギアとディファレンシャルギアの違い

  34   ブレーキ関連
           ・DATA

  36   タイヤ及びホイール関連
           ・DATA
           ・空気圧の調整は、冷間時の方が良いの?
           ・2本サスとモノサスのキャストホイールの違いは?
           ・2本サスのアクスルシャフトに、種類が有るって本当?
           ・タイヤの偏磨耗
           ・ホイールの互換性

  46・51 外装・フレーム及びスタンド関連
           ・DATA

  52   シート関連
           ・DATA

  61   総合電送関連
           ・DATA
           ・ヒューズの種類と場所
           ・バッテリーの流用
           ・バッテリーの充電
           ・意外な落とし穴

  62   メータ関連
           ・DATA
           ・メータの交換
           ・メータの修理
           ・スピードメータケーブル
           ・メータ内のバルブ交換
           ・インジゲータバルブをLED化


  63   ライト・燈下類関連
           ・DATA


  99   その他
           ・ユーザー車検
           ・キーの一本化


00   一般的事柄   目次

      ・部品の入手に関して
        BMW(2V−OHV)を購入される前の方や、オートバイは知っているけど詳しくは知らないって方によく聞かれる、質問で
        「部品ってまだ手に入るの?]と、聞かれる場合がよく?有ります。(国産は、十数年が限度?)
        BMWの場合、メーカーがしっかりしているのか、いまだに多くのユーザーの人気がある為持っているのか解りませんが、
        2本サス以降(1969年から生産された、/5シリーズからの車両)の車両なら、90%以上の部品は入手可能です。
        (それ以前の車両のパーツも入手出来ます。)
        ただし、すべての部品がすぐに入手出来るわけでなく、国内に在庫があれば2〜3日で入手出来ますが、特殊な部品等は、
        ドイツ本国へのバックオーダーになり、約1ヶ月前後は待つ覚悟が必要です。
        また、いくつかの部品はバックオーダーしても入手出来ない場合があります。(一部の車種や特殊な外装)
        ですが、パーツ番号が変わりますが代用できる物が、代わりに入手出来ると思います。
        別の方法として、他のモデルの部品を使用することが出来ます。2V−OHVの場合、全体的に同じ部品を使用している事がある
        ので、それらを使用する事も出来ます。(使用できるかは、パーツリスト等で確認する必要があります。)
        ただ、問題として部品の値段が高価だと言う事です。メーカーとしては、余計な部品で倉庫を一杯にしている為、その維持管理費が
        部品代に反映しているようです。(入手出来るだけ、ありがたいといえばそれまでなんですが・・・)

        MEMO
        ・カウルやタンク等の外装品は、ペインとされてない状態で供給されますので、入手後に塗装する必要があります。
        ・ディーラー以外でも、国内及び海外・オークション等でも購入する事が出来ます。
        ・ディーラーでは、ほとんど新品部品になりますが、ディーラー以外で部品を購入すると、安く購入できる場合が有ります。
        ・部品代を安くするには、新品部品と中古部品を上手く使い分けると安くなります。
        ・海外のショップでは、BMW純正部品・サードパーティー制作の部品が通信販売されています。部品の入手に関して、
         これらの海外通販を利用する事も、視野に入れてみてはいかがでしょうか。


      ・BMWの「頑丈・壊れない・長持ちする」って本当?
        よくBMWは、「頑丈・丈夫・壊れない・長持ちする」とか言われます。元々BMWは整備性が良いので、普段からの
        調整等の整備が行い易い為だと思います。また、不調になるとそれが出やすく、車両自体の構造が案外単純なので修理
        し易いのもあると思います。さらに、各部品が今だに入手可能なのも、その一つだと思います。
        いくらBMWでも、メンテナンス等をしないと壊れますし、長持ちもしません。


      ・BMWはよく壊れる?
        ごく希に、こんな事を言われる時が有ります。古い車両は、年代的に壊れる個所が多く発生するのは仕方が有りませんが、
        それ以外であるとすると、整備不慮や故障原因を追求せずに、その場しのぎで修理した可能性もあります。
        オイル漏れを起こすのは、ガスケット自体が劣化し駄目になっているか、オイル漏れ個所の緩みの可能性もあります。
        オイル漏れは、ガスケットを交換するか、固定ボルトを規定トルクで締め直してみてください。コーティング剤等は、あまり
        使用しない方がいいと思います。修理予定があるならいいんですけど、根本的な対応ではないので。
        (ボルトを締め直す場合、絞めすぎると余計ひどくなる可能性があります。)

        MEMO
        ・かつて、「頑丈・壊れない・長持ちする」と言うので、整備(オイル交換も)すらしない人がいたとか、いないとか。


      ・BMW乗りは、お金持ち?
        バブル全盛期の時代、多くの人がBMWを購入したそうです。その一部で、四輪と同じで外国車を持つ事が
        ステータス(外車=お金持ち)と言われてみたいです。(もちろんバイクが好きだから、買ったて言う方もいらっしゃいます。)
        バブル崩壊後、BMWを維持できなくなり多くの方が、手放したそうです。その結果、多くの中古車が安く購入できるように
        なりました。(今では、いろんな方が購入され、乗っておられます。)
        実際、1960年〜70年代ではとても高価の物(当時の金額で約200万円位)、本当にお金持ちしか乗れない(購入できない)
        乗り物でした。


      ・BMWの改造って「有り」なの?
        ある、オーナーは「BMWは、純正・ノーマルが一番。改造なんてもってのほか・・・」とおっしゃって、身につけるもの
        全てBMW純正品と言う方がいると聞いた事が有ります。その、オーナーさんの意見もわからない事も無いのですが、別に
        改造するのは悪くないと思います。オートバイのコンディション維持する為に、最新技術を持つ高性能部品に交換する・
        BMWの新たなる道を探る為に改造する・究極のBMWを目指して改造するとか、人それぞれですし。
        たとえ、そういう事を言われても気にする事はないと思います。(ある、RTを見ちゃうとねー。)
        後は、BMWが弄り易いってのも有るのかもしれませんが。

        旧型のBMWは、部品の供給がいまだに行なわれており又、モデル間の共通部品が多く有り、古いモデルにも最近の
        部品が使用可能です。エンジン性能は、余裕がある設計で性能向上の余地が多くある等の、弄り易い条件が揃っている為、
        改造による性能向上が見込みめますので、改造しがいのあるバイクだとも言えます。


      ・ディーラー以外の人が整備しても良いの?
        本来は、整備等をディーラーでやってもらうって言うのが一番なのですが、ディーラーにお願いすると「時間とお金が掛かる→
        維持出来なくなる→手放してしまう」になる可能性があります。
        そうなると、採る手段は「自分で出来る事は自分でやってしまえー」と言う事になります。
        最近は、雑誌やインターネット・クラブ間で情報をやり取りが出来るので、自分でやり易くなっています。また、取り説では、
        ある程度の整備方法も記載されています。ですので、特に安全上問題ならない様な所は、個人が行なっても平気だと思います。
        但し、重要保安部品(ブレーキ等)や特殊工具が必要な場所(ギアボックス等)、個人ではどうしようもない所は、素直にディーラー
        にお願いするのが一番です。個人で作業される場合、トルク管理などきちんと行ない、自己責任でお願いします。
        (雑誌やインターネットを見て、実際やって失敗しても人のせいにしないでください。)
        本当は自分で整備する事により、バイクの状態が把握出来、故障を未然に防ぐ事にもなりますし、整備していると愛着も出ますので、
        オイル交換など最低限の整備は、自分で行なう事をお勧めします。

        MEMO
        ・但し、自分で作業したい又はやってみたい方は、事前にリペアマニュアル・BMWBIKSの別冊(Vol3)・整備解説書
         (クライマーやヘインズ)等を入手して、手順・必要な工具・作業上で必要な技術等を確認して下さい。
         (内容を理解し、無理だと思ったら作業しない方が安全です。)
        ・よく、作業を始めてから行きずまって、OBCの掲示板に質問される方が多くいらっしゃいます。
        ・リペアマニュアル等をみても、分からない事や不安な事は、作業前にOBCの掲示板で質問すると、アドバイスがもらえます。
        ・近くに作業内容が分かる人(出きる人)がいる場合、その人にお願いするか、相談して見てください。
        (ディーラーでも、電話等で質問すれば教えてもらえるかもしれませんが、何度も電話で質問するのはご遠慮ください。)


      ・他のディーラーや他の店で買ったバイクって、ディーラーは見てくれるの?
        基本的にディーラーさんでは、どこで買ったバイクでも見てくれます。ただ、そのお店で買ったお客さんが優先されます。
        また最近では、2V−OHVを作業した事のない整備士さんや、主に新型のBMWを整備しているお店、ショールームだけの
        ディーラーさんもあるので、事前に連絡して確認し方がいいかと思います。出来ないなら、出来る所を紹介してもらうとか。

        MEMO
        ・但し2V−OHVの場合、ディーラーだから安心と言えないお店も、最近あるようです。


      ・BMWに年齢制限があるの?
        最近は、あまり聞かないんですが、以前「お前みたいたいな若造(20代)が、BMWに乗るのはまだ早い」と言われる方が
        いたそうです。ですが、そんなことはありません。今では、多くの若い方(20〜30代)がBMWのオーナーとしてたくさん
        いらっしゃいます。


      ・BMWって維持が大変?
        BMWを所有しようとして、気になるのが維持にかかる費用です。BMWを購入した直後は、前のオーナーがしっかり整備を
        行ってい無い限り、それなりに費用は掛かります。まず、年式的にかなり経っているので、いろいろな個所(特にゴム類)が
        劣化しています。それゆえ、いろいろ部品交換が発生し、その部品代+工賃+消費税が掛かってしまいます。コンディションが
        悪い車両はさらにかかり、状態を現状より良くするにはさらにかかります。ですが、一度大掛かりにやってしまえば、後は定期的
        な整備を行っていけば、そんなにかからないと思います。その定期的な整備(タペット調整・オイル交換)すら、自分で行えば
        さらに費用は、掛からなくなります。(工具に、お金が掛かるかもしれませんが・・・)
        後は、毎月少しずつ貯金を行えば、緊急のトラブルやバージョンアップ等に掛かる費用に回す事が出来ます。


      ・2本サスとモノサスってどっちが良いの?
        性能や品質から判断すると、モノサスの方に軍配が上がります。入手しやすさでもモノサスの方が、入手し易いです。ですが、
        2本サス独特の乗り味(重いフライホールのせい?)やスタイル等に憧れ、一度手放したり、乗り換えた人ももう一度と言う方も
        いらっしゃいます。維持費に関しては、年代的に新しいモノサスの方が負担が少ない(2本サスと比べると)と思います。
        結果的には、「どっちも良い」って事になりますが、モノサスと2本サスのそれぞれに特徴があるので、最終的には、それぞれ
        の好みや想いに任せるしかありません。
        (購入前に、両方に試乗して判断するのが最高なんですが、そう簡単にできないですからね。)


      ・ディーラー以外のお店
        近くにディーラーが無い場所(地方とか)などは、近くのバイク屋さんにダメモトで聞いてみると良いです。もしかすると、お店の
        人が、昔にBMWに乗っていてある程度整備ができるかもしれないですし、そのお店が元ディーラーやお店の人が元ディーラーの
        メカニックだったと言うのも実際あります。もしかすると、スゴ腕の整備士だったりして・・


      ・4輪屋さん
        同じBMWの看板を出していても、4輪屋さんでは、2輪の修理及び部品の発注は出来ません。
        しかし、2V−OHVは、動力系はオートバイ特有の構造では無なく4輪車と似た構造ですので、4輪の整備屋さんでも手が出せる
        場合がありまし、整備をしてくれる所も有ると聞いた事があります。
        もし、近所の4輪屋さん(チューンナップ専門、修理・加工等)の店先に2V−OHVが良く止まっている場合、その持ち主に相談
        して見るのも良いかもしれません。持ち主が従業員の人なら、上手く相談すればお店の道具や工作機械を使わせてもらえる
        可能性もあります。(こんなお店が近くに有ればなー。)


      ・2V−OHVの欠点
        2V−OHVについて雑誌・インターネット・お店・オーナーの方等の意見では、良い所しか出てこないと思います。そこで、2V-OHVの
        欠点のいくつかを。(車種によって異なります。)

        ・電装品(ダイオードボード・オルタネータ・IGコイル・プラグコード・各種配線)は、よくトラブルが発生します。
        ※但し、一度対処(修理・交換)を行えば、ほとんど発生しません。(ほとんどが、部品の初期不良と劣化によるトラブルです)
        ※セルモータに関しては、エンジン電装を参照
        ・ゴム部品、全般的にゴム部品の品質が低く、劣化が早い様です。
        ・中古車で程度の良い物、数が少ない車両、人気がある物は、国産の新車が買えるくらいの値段になる場合があります。
        ・逆に安過ぎる場合は、値段相応のコンディションです。(いわゆる、ボロボロのサビサビ)
        ・性能では、国産や他の海外のバイク・新型のBMWには、およびません
        ・購入初期は思ったより、お金が掛かります。
        ・トラブルが発生しても、近くのバイク屋で修理とはいかない。
        ・周りに乗っている人が、少ない
        ・ごく希に、国産と間違えられる。
        ・分かる人にしか、分からない存在。(でも、そこが面白い。マニアック?)
        ・アフターパーツは、思ったより少ない。(でも、流用部品が多く使用できる)
        ・等


      ・2V−OHVってこんなもん?
       初めて2V−OHVを購入されて乗ってみると、「2V−OHVって、こんな物なの?。国産の方が乗り易いんじゃないの?」と、
       感じて(失望して)すぐに国産等に乗り換えられる方が、たまにいらっしゃいます。2V−OHVの場合、前のオーナーが丁寧に
       整備等をしながら乗っていた物なら別ですが、中古(非ディーラー店)やオークションで購入した物で本当に調子の良いものは、
       なかなか見つかりません。
       そう言った物が手に入れば問題無いのですが、そう簡単にいかないのが人生です。本当に憧れて購入された方、これしかないと
       感じて購入された方でしたら、最初は我慢して面倒(整備&修理&ツーリング)見てください。整備や修理を繰り返しながら
       乗っていくと購入した当時の不調が嘘のように無くなり、これこそ2V−OHVと感じるようになります。(多分・・・)
       *ちなみに僕のは、そうなるまで3年(購入してから約3万キロ)掛かりました。(人によって異なります)

       また、インターネットで知り合った2V−OHV乗りの方とツーリングやお話、車両を交換して乗ってみると、自分の車両の状態が
       今、どの変に有るのか分かると思います。
       自分の車両のコンディションを見るのに1番最適なのは、出来る限り乗ってやることだと思います。


11   エンジン関連   目次

      ・DATA

    
-- 2本サス モノサス パラレバー
E/Gオイルの種類 4サイクルガソリンエンジン用
(API:SE以上)
←← ←←
E/Gオイルの粘度 SAE20W50 (夏季)
SAE10W40 (冬季)
←← ←←
オイル容量 2.0L  (フィルター交換無し)
2.25L (フィルター交換有り)
←← ←←
交換サイクル 約2,000Km
(早めの交換を推奨)
約3,000Km ←←
ドレインボルトの締め付けトルク 30Nm ←← ←←
ドレインボルトのネジ径 18(mm)×1.5(P) ←← ←←
オイルフィルター(型番) (純正)
 11421337570(中折れ)
 11421337572(一体型)
*11421337575(中折れ)

(OEM:MAHLE製)
 OX37(中折れ)
 OX35(一体型)
*OX36(中折れ)

*は、オイルクラー付き
←← ←←
バルブクリアランス(IN側) 0.1(mm) ←← ←←
バルブクリアランス(EX側) 0.15(mm) ←← ←←
        *オイル容量は、オイルクーラーの有無及びオイル増量キットの使用した場合、増加します。


      ・オイル交換

        ・使用オイルについて
         ・オイルは、ガソリンエンジン(4ストローク)用を使用しますが、2輪用・4輪用のどちらでも使用できます。
          オイルの粘度は、年間を通して「20W−50」の物を使用し、冬期で必要な場合「10W−40」の物を使用します。
          この粘度は、「サービスマニュアルにある物なので、必ず使用しなければいけない」と言う訳でなく、参考として考えても
          いいかと思います。ただ、4車用に最近よく使用される「0W−××」や「5W−××」は、2V−OHVにはあまり使用しない方が
          いいかと思います。

          *使用するオイルの規格(API規格と呼ばれる)は、「SE」以上を使用してください。
           (現在市販されてオイルのほとんどは、SE以上です)

         MEMO
          ・API:米国石油協会の略
          ・SE規格:1971年以降の一部および1972年式以降の米国乗用車および一部のガソリン
                トラック車用。酸化、高温デポジット、さび、腐食などの防止に対し、SA・SC油より
                もさらに高い性能が必要。

               性能:右へ行くほど(アルファベットが大きくなる)高性能
               SA→SE→SJ→SL....

         ・オイルの交換時期(交換サイクル)
          ・オイルの交換サイクルは、通常約3000kM毎に行う事が推奨されています。旧い車両等は、もう少し早いタイミング
           (約2000km)で行った方がいいと思います。この、交換サイクルは目安なので、長期間乗っていない場合やあまり乗っていない
           場合は、交換サイクルに関係なく交換された方が良いと思います。

         ・交換時の注意
          ・オイルの量は、ほとんどの車種が約2Lです。但し、オイルクーラーを使用している場合やオイルフィルターを同時交換する場合、
           オイルパンの増量キット等で変更している場合は、それぞれ量を確認して下さい。
           (オイルフィルターと同時交換の場合は、約2.25L)
          ・エンジンは、必ず止めて、車両を安定した場所でセンタースタンド等を使用して停めてから行って下さい。
          ・エンジンを暖めすぎ(走行直後等)て、オイルやエンジン・マフラー等で火傷しないようにして下さい。
           (エンジンが冷えている状態でも出来ます。少し、時間がかかりますが。)
          ・オイルドレインボルトのアルミガスケットは、オイル交換毎に、新品に交換し再使用しないで下さい。(1つ、50円ぐらいです)
          ・オイルドレンボルトは、規定トルクで締め付けるか、アルミガスケットが潰れるぐらいで締め付けて下さい。
           (締め付けトルクは、約30±3Nmですが、取り説等で確認して下さい。締め付けすぎると、後が大変です。)

       作業方法
・使用工具です。(右から)
  ・8mmのヘキサゴンレンチ(六角レンチ)
  ・10mmのコンビネーションレンチ
  ・17mmのソケット
  ・オイルフィルター(OEM:OX35)
  ・フィルターカバー用のペーパーガスケット
  ・オイルドレンボルト用のアルミガスケット
  ・画面に無いですが、オイル・オイルジョッキ・廃油入れ等も必要

※オイルのみ交換の場合は、アルミガスケットと8mmのヘキサゴンレンチ
  で出来ます。(画像は、オイルフィルターも一緒に交換する為)
・車両を安定した場所に、センタースタンドで停め、ドレインボルトの下に
 廃油入れを準備して、ドレインボルトを外します。

※オイルドレインボルトの位置は、車種・年式等により異なります。
・オイル交換は通常、暖気等を行なってオイルを暖めてから作業しますが、
 オイルを暖めないでも抜けます。(時間が掛かりますが)
・オイルが抜けたら、ドレインボルトに新品のアルミガスケットを取り付けます。
 *ドレインボルトを外した時に、前に使用していたアルミガスケットを確認
   して下さい。(オイルパン側に、残っている場合もあります。)

 *オイルドレインボルトのネジ径は、18×1.5(径:18mm・ピッチ:1.5)です。
・オイルドレンボルトの汚れ、オイルパン側のネジ穴の汚れを落とし、新品
 アルミガスケットを取り付けた、ドレインボルトを規定トルク(30Nm)で締め
 つけます。
・オイルの注入口の蓋?を外します。
・オイルジョッキにオイルを入れ、最初に3/5だけ入れしばらく待ちます。
・オイルレベルゲージを使用して、オイルの量を確認します。
 (足りない場合、目分量でオイルを注ぎ足してください。)

 ※オイルを2L一度に入れると、入れ過ぎになります。
(全てのオイルが抜けきる事は、ほとんど有りません。) 
-- ・最後に、エンジンを始動しオイルをエンジン全体に回し、エンジンを止め
 もう一度のオイル量を確認します。

※廃油は、地域の指定方法で処分してください。

         MEMO
             
             ・オイルの注入口は、エンジン左側にあります。また、注入口の部分にエンジンナンバーが、刻印されています。
             (注入口の隣の黒い丸いゴムを外すと、点火タイミングのマークが見る事が出来ます。)

      ・オイルフィルターの交換
         ・オイルフィルターは、オイル交換の2回に1回(約6000km)の割合で交換を行います。場所は、エンジン前方の右下辺りに
          三角形をした蓋があり、その蓋を固定しているボルトを外すと、その中にオイルフィルターがあります。
          (ただし、車種によりカウルやエキパイが干渉する場合があるので、その時は工夫して外して下さい)
          使用するオイルフィルターは、車種によって種類や使用するガスケットが異なるので、事前に確認して下さい。
          オイルクーラーを装着している車種の場合、通常オイルクーラーへ繋がるホースを外しますが、ホースを外さなくてもオイル
          フィルターの交換を行う事が出来るそうです。

     作業手順
オイルクラ−無し オイルクラ−有り

・場所は、エンジン前方の右下
(右側のエキパイ付近にあります)

・場所は、エンジン前方の右下
(右側のエキパイ付近にあります)

*使用する工具は、車種・年式により異なります。

・10mmのスパナ
・17mmのソケット
・オイルフィルター
・新品のガスケット

・まず10mmのスパナで、フィルターカバーを固定している
ボルトを外し、フィルターカバーを外します。       

・内部に有る中蓋を固定しているボルト(17mm)を外し、
中蓋を外します。                       
(車種・年式によって中蓋が、無い場合も有ります。)

・奥に有るオイルフィルターを取り出します。
(オイルがこぼれてきます)

・取り外した、オイルフィルター

・オイルフィルターを交換する前に、内部を確認し、 
ガスケットやOリング等残っていないか調べます。

・新品のオイルフィルターを入れます。

・中蓋を取りつけ、フィルターカバーに新品のペーパー
ガスケットを取りつけ、フィルターカバーを取りつけ
ます。                           
(フィルターカバーを固定するボルトの締めつけ過ぎに注意)
・交換したオイルフィルターは、適切な方法で
処分してください。


         MEMO
                    

            ・写真:左 オイルフィルターとガスケット   写真:右 フィルター交換時に使用するガスケット
             (車種により使用するガスケットの種類、数が異なります。事前に確認して下さい。)
            ・オイルフィルターに種類(円筒形型と中折れ型)有るのは、フィルター交換時にカウル等にオイルフィルターが干渉し
             ないようする為かと思います。


      ・タペット調整(バルブクリアランスの調整)
         ・タペット調整(バルブクリアランスの調整)は、バルブステムとロッカーアームの間に一定の隙間ができるように調整する作業で、
          この調整を定期的に行わないと、バルブステムとロッカーアーム間の隙間がなくなり、プラグのかぶり・アイドリング不調・
          エンジン始動困難等が発生し、最悪バルブステム及びロッカーアームが破損します。
          調整を行うタイミングは、車両の状態によって変わりますが、定期的に確認(例えば、オイル交換時)を行う場合と、調子が悪く
          なってきてから確認する場合があります。そのような時に、バルブステムとロッカーアームの隙間が規定値以下の場合に
          調整を行います。
          人によっては、エンジン音でタペット調整の調整時期を見極めるか方がいます。それは、バルブクリアランスが一定の隙間が
          ある状態とない状態での音の違いで判断していている為です。隙間が既定値ぐらいある時は、エンジンが動いている時に独特
          の音がしますが、隙間が狭くなってきている時は、音が微妙に静かになるみたいです。(車種や車両の状態によって、異なります)

          ・タペット調整時に必要な道具
           ・10mmのレンチ×1(ソケットは、使用不可。メガネも使用できないかも) ヘッドカバーの脱着時に使用
           ・12mmのレンチ×2(一つは、スパナ) タペット調整用
           ・13mmのボックス×1(レンチ・スパナは使用不可) ヘッドカバーの脱着用
           ・プラグレンチ×1 もちろん点火プラグを外す為
           ・隙間ゲージ(0.1〜0,2mmの範囲を見る事が出来るもの) タペット調整用
           ・懐中電灯等のライト類 圧縮上死点を確認する為
           ・トルクレンチ(なくても問題無いけど、あった方が良い)
           ・オイルを受ける容器 ヘッドカバーを外すとオイルが少したれる為
           ・ボロ布等

      ・手順
使用工具(右から)
 ・ラチェット
 ・ブレーカーバー
 ・12mmのコンビネーションレンチ(2本)
 ・10mmのコンビネーションレンチ
 ・13mmのソケット
 ・プラグレンチ
 ・ライト
 ・シックネスゲージ(隙間ゲージ)
 ・オイル受け・ぼろ布等
−− 車両を安定した場所(出来れば広い場所)で、
 センタースタンドで停めます
・ヘッドカバー中央に有る13mmのナット(写真:上)、
 ヘッドカバーの裏に有る10mmのナット(写真:中・下)
 を外す。(反対側も同様に)

※ヘッドカバー中央のナットは、スパナ・レンチ等は、
  使用できません。
※ヘッドカバーの裏のナットは、ソケット(レンチも?)
  使用できません。(隙間が狭い為)
・ヘッドカバーを外します。

※ヘッドカバーを外す際に、ヘッドカバーの下にオイル
  受けを用意してください。また、シリンダーヘッド又は
  ヘッドカバーに付いているガスケットを破損しないよ
  うに注意してください。

画像(ヘッドカバーを外したところ)
  上:正面から
  中:キャブ側から
  下:エキパイ側から
・左右の点火プラグを外し、オイル注入口の側のゴム
 の蓋を外し、タペット調整を行なう方のシリンダーの
 圧縮上始点を出します。

画像:圧縮上始点が出ている状態
・圧縮上始点が出ている状態で、ロッカーアームの
 ロックナットを緩め、調整ナットで規定の隙間になる
 様に調整します。

※ナットは、12mmです。
・調整のコツとして、シックスネスゲージの抜き差しが
 出来る状態で、シックスネスゲージを差した状態で、
 手を離しても抜けない様な状態が、良いそうです。
−− ・反対側のヘッドも同様に調整を行ない、ヘッドカバー
 及び点火プラグを元に戻します。

         作業説明
           1:車両を安定した場所(出来れば広い場所)で、センタースタンドで停めます。
           2:ヘッドカバーの中央にある13mmのナットを、13mmのソケットを使って外します。
           3:ヘッドカバーの裏に、10mmのナットが2個所あるので、それをスパナ等で外します。
             (場所が狭いので、ソケットは使用できません。物によってメガネも使用できない場合があります。)
           4:ヘッドカバーを外す前に、ヘッドカバーの下にオイルを受ける容器を置いて、ヘッドカバーを外します。
             ・ヘッドカバーを外すとロッカーアーム等を潤滑する為に、シリンダーヘッドからオイルがわずかに流れて
              きてヘッドカバー内に溜まりますので、ヘッドカバーを外すとその溜まったオイルが外にこぼれる為です。
              (ちなみに、ヘッドカバーバー内に溜まったオイルは、いずれオイルパンへ戻ります。)
             ・ヘッドカバーを外した際に、ヘッドカバ等の中に細く短い金属(ニードルベアリング)又は金属片等が
              出てきた時は、何もせずカバーを戻し、ディーラーに相談してください。
              (ロッカーアームのニードルベアリングが破損している可能性があります。)
             ・ヘッドカバーとシリンダーヘッドの間にガスケットが有るので、ガスケットを破損しないようにして下さい。
              (通常、カバーかヘッド側に張り付いています。)
           5:エンジンオイルの注入口の側に、点火のタイミングを確認する穴があるので、穴を塞いでいるゴムの蓋を外します。
           6:プラグコードを外し、プラグレンチで点火プラグを外します。(出来れば、左右両方外して下さい。)
             (外さなくても調整は出来ますが、調整時に圧縮上死点を出すのが大変んです。)
           7:ギアを1速に入れ、リアタイヤを少し浮かせた状態にします。
           8:タイミング確認用の穴を懐中電灯等で照らします。
           9:リアタイヤを進行方向へ回し、キャブレター側の左右どちらかのロッカーアームが戻りはじめ(シリンダーヘッドから
             離れ、開き始める状態)るまで回します。(つまり、エンジンを手で回している作業です。)
             戻りはじめた方を、覚えておき、戻りはじめた方が、確認・調整の対象になります。
             ・リアタイヤを回す際に、センタースタンドが外れないように注意して下さい。
             ・キックレバーがある車両は、キックレバーを使用すると簡単です。(この場合ギアは、「N」にして下さい)
             ・フロントカバーを外し、ローター部分の先端の穴に六角レンチ等を着けて回す方法もあります。(この場合ギアは、「N」へ。)
             ・セルモーターを少しずつ回す方法もありますが、注意して作業して下さい。(この場合ギアは、「N」にして下さい)
          10:タイミング確認用の穴を確認しながら、穴の中央に「OT」マークが出てくるまで、ゆっくりタイヤを回します。
             (「S」マークが出てくると、もうすぐ「OT」マークが出てきます。)
          11:穴の中央に「OT」マークが出たら、タイヤを回すのを止め、ロッカーアームが戻った方のシリンダーの隙間
             (バルブクリアランス)を確認します。
          12:EX側(エキパイ側)又はIN側(キャブレター側)のどちらかのロッカーアームとバルブステムの隙間に、隙間ゲージ
             を差込み、隙間がどのくらいあるのか調べます。
             ・IN側(指定値は、0.1mm。車種に異なる場合があります。)
             ・EX側(指定値は、0.15mm。車種に異なる場合があります。)
             ・指定値よりわずかに狭い場合は、調整しなくても問題ありませんが、著しく隙間が無い場合(0〜0.05mmとか)は、
              タペットの調整が必要です。
          13:調整方法は、まずロックナット(プッシュロッドの先端にあるナット)を緩めます。12mmのスパナ等を使用
             (ロッカーアームを固定しているナットナットは、緩めないで下さい。)
          14:次に、調整用のナット(ロックナットの下にあるナット)を緩めてバルブクリアランスを既定値になるように調整します。
             ・ロッカーアームとバルブステムの間に隙間ゲージを挟み、規定の隙間でゲージが抜差し出来る状態で、尚且つゲージから
              手を放してもゲージが落ちないくらいに調整します。
          15:調整用ナットが動かないようにして、ロックナットを固定して下さい。ロックナットは、絞めすぎないで下さい。
             ・ロックナットも締め付けトルク(20Nm)がありますが、やりにくいので適当に締め付けて下さい。)
          16:ロックナットを絞めた後、もう一度バルブクリアランスを確認して、ずれていたら再調整して下さい。
             (本当は、既定値の方が良いのですが、多少の誤差は、特に問題になりません。)
          17:タペットの調整と同時に、ロッカーアームの縦方向のガタ(=隙間が発生している)も確認・調整した方が良いのですが、
             調整に失敗して、ローラーベアリングが落ちたりすると大変なので、やる時は、ディーラーにお願いした方が無難です。
             (縦方向の調整には、専用のシムを使用する必要があります。)
          18:トルクレンチが有れば、シリンダーヘッドの増し絞めも行った方が良いのですが、失敗するとかなりのリスクがあるので
             これも、ディーラー等でお願いした方が無難です。
          19:反対側のシリンダーのタペット調整する場合、エンジンを一回転させて、もう一度「OT」マークを出すと、反対側の
             圧縮上死点が出ます。(失敗した場合、エンジンを数回回し反対側の圧縮上死点を出します。)
          20:タペット調整が終了したら、ヘッドカバーを取り付けます。
             ・ヘッドカバーの中央の固定ナット13mmのソケットで締め付けますが、締め付けすぎに注意して下さい。
              (締め付けトルクは、24Nmです。)
             ・ヘッドカバーの裏の10mmナットも絞めすぎに注意して下さい。
              (締め付けトルクは、10Nmですが狭い為、専用のトルクレンチアダプターが必要になります。)
          21:最後に、点火プラグ・プラグコードを取り付けてエンジンを始動し、テストして下さい。
             (エンジン始動前に、ギアをニュートラルにして置くのを、忘れないで下さい。)

          ・タペット調整は、当時の取り扱い説明書に記載されているほどで、思っているほど難しい作業ではありません。


      ・スタッドボルトの損傷
         ・スタッドボルトの損傷で有るのが、スタッドボルトをなめてしまう・スタッドボルトが根元から抜けてしまうと言うのが
          あります。重傷になるのがクランクケースからのスダットボルト抜けになり、シリンダーヘッドの中央のスタッドボルト
          の抜けやなめは、クランケースの場合に比べると軽症の部類になると思います。と言うのは、クランケースからの抜けに
          なると結果的にヘッド・シリンダー・ピストン等を外す必要が生じる為です。ちなみに、シリンダーヘッドの場合は、ヘッド
          カバーをはずか、シリンダーヘッドを外して対処が出来る為です。

          ・対処方法:
           ・スタッドボルトが抜けた場合、通常は「タイムサート」や「ヘリサート」・「リコイルキット」などを使用して
            抜けた穴を修復します。これらは、抜けた穴を工具(ドリルやタップ)で穴を少し広げ、専用の工具で特殊な部品
            を挿入する事で、ネジ山を修正します。この場合、下穴の開け方が上手く行かないと、さらに被害が大きくなります。
            リスクを考えると、この作業は、自分でするより業者にお任せした方が安全です。


      ・プッシュロッドチューブからのオイル漏れ
             


      ・アイドリングの不調
         ・長く2V−OHVに乗っていると、アイドリング時でも2000〜1300rpmの回転になっていたり、不安定になってしまったり等の
          症状が発生します。多くの方がキャブがに問題があると考え、オーバーホールやキャブの調整をされる方がいます。
          キャブのオーバーホールや調整は、それなりのコツが必要になり、へたをすると以前より調子が悪くなりますし、ディーラー
          等でやってもらうとお金もかかります。それで、治れば良いのですが、別の場所に原因があった場合、無駄にはなりません
          が出費は痛いです。キャブをどうこうする前に、他の場所を確認して見てください。
          キャブ以外で、問題になりそうな場所は、「バルブクリアランスの狂い」「アクセルワイヤーの折れや曲り、タンク等での
          引っ掛かり」「チョークワイヤーの戻り具合」「キャブとヘッドを繋ぐゴムパイプの劣化、又は隙間からの二次エアーの
          吸い込み」「点火タイミングの狂い」等が上げられます。

          ・バルブクリアランスの狂い:バルブクリアランスを確認してください。
          ・アクセルワイヤー・・ :調子が悪くなる前に、ガソリンタンクを外した事がある場合、ガソリンタンクを元に戻す時に
                        タンクとフレームの間に挟まったり、何処かに引っかけたかアクセルワイヤーに無理な負荷が
                        掛かっている可能性があります。
          ・チョークワイヤー・・ :チョークレバーが正常の位置に戻っているかを確認すると共に、チョークレバーからのワイヤー
                        に何かの負荷が掛かっているかもしれません。
                        (車種によっては、チョークレバーの場所や構造が異なります。)
          ・キャブとヘッドを・・  :おそらく、これが原因となる場合が多いと思います。ここは、場所的にエンジンの熱にさらされる
                        ので、劣化が進みやすいです。劣化すると、ゴムパイプに無数の亀裂が入り、そこから二次エアー
                        を吸い、アイドリングが不安定になります。また、キャブを取り付けたりして、この部分をとめる
                        バンドが緩んで、そこから二次エアーを吸う場合もあります。
                        対処として、ゴムパイプを交換するか固定バンドを締め直して見てください。
          ・点火タイミング    :これは、滅多に狂う事がないと思いますが、一応確認した方がいいと思います。


      ・始動性が悪い
         ・バイクに乗って出かけようとして、エンジンがなかなか掛からない時は、かなり焦ります。エンジンが掛かりにくい原因としては、
          「バッテリーの電圧が低くなっている。又は気温が低くバッテリー本来の性能が出ない」「オイルの粘度が高く、エンジンがなか
          なか回らない」「プラグがかぶっている」「ガソリンに水が混ざっている」「アクセルを開けすぎている」「チョークの位置があって
          いない」「ガソリンがキャブに来ていない」「点火タイミングが狂っている」「ポイントの摩耗(一部の車種)」 等があります。
          もちろん、今から出かけようとしているので「ポイント交換や確認」「点火タイミングの調整」「バッテリーの充電」「オイル交換」
          なんてやっている暇がありません。この辺は、とりあえず暇な時(症状が悪くなる前に)にやっておきましょう。
          始動時は、セルの回りやチョーク位置、アクセルの開け具合を見ながらセルを回して、心配ならキャブのフロート部分から
          ガソリンを溜まった水と一緒に捨てるとかして、やって見てください。(セルを回しすぎて、バッテリーを上げないように。)


      ・キックでエンジンを掛けたい
         ・もし、エンジンにキックが付いていたらどんなに便利だろうと思う方は、結構いると思います。何せ、バッテリーが上がったと
          しても完全に放電していなければ、再始動できる可能性があるからです。(押しがけは、したくないですからね。)
          じゃー、キックを付けてしまえと言って着けようとすると軽く、10万円コースは確実です。(ミッションのバラシ作業があります)
          ですが、キックが付いていたとしても、キックでの始動はこれが又大変な事で、始動にはそれなりのコツがあり、それが
          解らないと、とても大変です。こつが解っても、なれないと疲れます。

          ・キックでの始動方法
          @車体をセンタースタンドで停める。(サイドスタンドでは、危険です)
          A左のステップ又は、タンデムのステップに乗り、数回キックレバーを
           ストロークし、重くなった状態で停める。(この状態は、ほぼ圧縮状態)
          Bチョークを引く。
          Cアクセルを少し開ける。
          DキーをONにする。
          E覚悟を決めて、一気にキックレバーを踏み込む。

          ※キーをONにするのは、キックスターターを踏み込む直前にします。これは点火回路に電流を流し続けない様に、
           安全回路が入っているためです。(IGコントローラー装着車のみ)


        MEMO
         ・キックがあると、バルブクリアランスの調整等での圧縮上死点が出し易くなります。
         ・エンジンの始動前に、数回キックを行うとオイルが回り、エンジンがかけ易くなります。(車両によって異なります)
         ・人より違う部品が付いていて、得した気分になれます。
         ・人前で、キックでエンジン始動できると人気者になれます。いろんな意味で。
         ・セルが付いていても、バッテリーに対して安心できます。


      ・暖気運転は必要?
         ・冬場の一発目の始動時以外は、暖機運転は特に必要無く(冬場でも短時間でOK)、エンジン始動後はそのまま走り出しても
          問題ありません。但し、アイドリングが安定するまでは、エンジンを高回転まで回さないで下さい。
          また、停車状態での長時間のアイドリングは、出来るだけ避けてください。これは、2V−OHVは空冷エンジンの為、
          停車状態でのエンジンの冷却効果がほとんど無いので、オーバーヒートによるエンジンの損傷が発生する可能性があります。
         ・停車状態で暖気を行なっても、ギアボックスやドライブシャフト・ファイナルギア部のオイルが温まらないので、これらの
          オイルを走行しながら温めています。


      ・慣らし運転の方法って?
         ・慣らし運転は、新車購入時又は、エンジンのOH後に行われます。これは、新品のエンジン部品が高温・高回転によって、
          部品に歪みが発生し、エンジンの焼きつき等を起こさせないようにする為です。
          一般的に金属は、急激に高温の熱を加えると膨張し、時には金属組織が変化して脆くなったり、硬くなったりします。
          また、形状によって一部の箇所が極端に膨張・変化し、さらに、熱によって変化した状態のままを保ち続ける場合も有ります。
          そして、それらの金属の変化が歪みになります。(金属の材質や、大きさ、工作精度により異なります。)
          ですが、適度な熱をゆっくり加えると、金属組織の変化や、膨張のスピードも緩く、均一に行われ、極端な歪みも発生しません。
          そして、金属同士が触れる箇所も、均一に削れる様になります。(違うかも・・)
          慣らし運転は、この、エンジン部品に対して、適度な熱をゆっくり加えると言う作業になります。

         ・通常慣らし運転は、最初の1000Kmを約3000回転前後で走行し、エンジンオイルの交換及びタペット調整・シリンダーヘッドの
          増し締めを行います。(これは、2V−OHVに対してであり、他車種のやり方と異なる場合があります。)

         ・なぜ、約3000回転前後で走行するのか? おそらく、この回転数でのエンジン温が適度なのだと思います。
         ・なぜ、オイルを交換するのか? これは、膨張した金属同士の接触により削れる為です。
         ・なぜ、タペット調整及びヘッドの増し締めするのか?これは、熱による膨張が発生し、各部のクリアランス等が変わる為です。

        MEMO
         ・最近では、設計・製造・加工技術が良くなっている為、極端な歪みは、発生しにくいようです。


      ・謎の穴?
             
         ・エンジンをよく見ると、小さな穴(写真の赤丸)があります。さて、これは何の為の穴でしょう?
          この穴は、セルモータ部分まで繋がっていて、セルモータカバー内に溜まった水を外へ排出する為にあり、この穴は、エンジンの
          左右にあります。


      ・オイルプレッシャースイッチ
         ・オイルプレッシャースイッチは、エンジンオイル注入口の下の方にあります。ただ、このオイルプレッシャースイッチは、
          たまにオイル漏れを起こす場合があります。
          (オイル漏れは、スイッチの根元ではなく、配線の部分から漏れて来る事が多いです。)

             



12   エンジン電送関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー
点火方式 ポイント式
点火プラグ W5DC(Bosch)
BP7ES(NGK)
W7DC(Bosch)
BP6ES(NGK)
←←
プラグのネジ径 14×1.25 ←← ←←
プラグの締め付けトルク 25Nm ←← ←←
始動方式 セルモータ
(オプションによりキックもあり)
←← ←←
セルモータ
(セルモータ搭載車)
Bosch製 Valeo製
(一部Bosch製)
Valeo製
発電容量 280W/14V
(一部240W/14V)
280W/14V ←←
充電開始回転数 1200〜1300rpm ←← ←←
充電電圧
ダイオードボード
レギュレータ


              

         写真:左右 エンジンフロントカバー(通称:オカメ?)内の電装品(年式・車種により異なる)

              

         写真:左右 2本サス(初期型)の メインフレームの電装品

              

         写真:左右 モノサスのメインフレームの電装品


      ・セルモータのマグネット剥離
        2V−OHVのセルモーターは、モノサス?あたりからBOSCH製よりVALEO製へ変更されました。変更理由は、判りませんが
        (始動時のトルク向上?)、古い年式の車両でVALEO製のセルモータは、よく壊れると言われています。
        壊れる原因としてあるのが、「セルモータへの負荷」「振動」「エンジンの熱」「寿命」「セルモータの不良」etc...などが挙げられます。
        では、なぜVALEO製より古いBOSCH製のセルモーターの故障より、VALEO製のセルモータの方が故障が多いのかというと、
        セルモータ自体の構造の違いがあります。
        VALEO製のセルモータは、国産車に使用されているセルーモータと同じ構造で、回転子の周辺に永久磁石が取り付けられて
        います。ですが、VALEO製の場合、永久磁石の固定方法に問題が有り、故障原因の一つになっています。
        国産車のセルモータの場合は、永久磁石の固定方法にビス止め等の方法を使用していますが、VALEO製の場合は、接着剤で
        固定しているだけになっています。
        その為、いろいろな要因で永久磁石を固定している接着剤がその機能を失い、マグネット剥離と言う惨事を引き起こすようです。
        一方、BOSCH製は、永久磁石をボルトで固定している為、マグネット剥離という問題は発生しません。
        ただし、BOSCH製は、VALEO製より回転する力があまりありません。

        MEMO
        ・マグネット剥離に似た症状(セルモータが回らない)に、遊星ギアの固着等が有ります。
        ・マグネット剥離が発生する前に前兆(マグネットの一部が剥離している)として、セルモータの使用時に異音がしますが、
         いきなりマグネット剥離(複数のマグネットがいきなり剥離する)を起こす場合も有ります。
        ・マグネット剥離したセルモータは、一応修理可能なので、セルモータを交換しても手元に残すことをお勧めします。
        ・VALEO製のセルモータからBOSCH製のセルモータへの交換は可能です。ただし、セルモータの固定方法が若干異なる
         ので、取り付けようのステー等が必要になる場合が有ります。(BOSCH製からVALEO製への交換も可能です。無加工で)
        ・セルモータの固定ボルトからバッテリー等へアーシングすると、セルモータ及びバッテリーへの負荷が減るかも知れません。
         (セルモータは、エンジンブロックにアースしている為)
        ・セルモータの遊星ギアへグリスアップを行なうと、遊星ギアの固着等が減ります。
        ・セルモータの分解時は、ブラシホルダーの取り外しに注意してください。(プラスチック製で割れやすい)

              
             写真:左  セルモーターカバーを外した状態   写真:右 ブラシホルダー


      ・レギュレーター
        レギュレータは、オルタネーター(発電機)で発生した電気の出力電圧を、一定の電圧以上(14.5V)にならないように制御しています。
        2V−OHVで使用されているレギュレータは、全部で4種類あり、まず2本サス初期型で使用されている機械式(内部のリレーで制御)
        と、2本サス後期型やモノサス等で使用される電子式(IC内蔵)の2種類に別れます。
        それぞれのレギュレータは、さらに充電開始電圧の違うものが2種類あります。
        レギュレータは、タンク下のメインフレームにあります。

        MEMO
        ・4種類のレギュレータは、2V−OHV全車種に装着することが出来ます。
        ・USA製の高出力タイプのレギュレータに、充電電圧を調整ができるレギュレータ(電子式)があります。


        レギュレータのテスト
        レギュレータが故障?と思われる場合の、確認方法です。
        (但し、レギュレータが原因によりバッテリーが充電されない場合です。過充電かどうかは、充電中のバッテリー電圧を確認します。)
        @エンジンを始動し、充電が開始される回転数(約1200rpm)まで回し、インジケーターランプのバッテリーチャージランプが点灯
         していることを確認します。(点灯しない場合は、充電されています。)
        A下の写真の、テストコード準備(作成)します。
         (7〜8Cmの適当な配線の両端に、オス型の端子を繋いだだけです。)

        機械式のレギュレータとテストコード

        Bガソリンタンクを降ろし、レギュレータに接続されているコネクタを外します。
        C外したコネクタのD+側とDF側に、Aのテストコードを繋ぎます。(直結状態)
        D再度エンジンを始動し、充電が開始される回転数(約1200rpm)まで回し、インジケーターランプのバッテリーチャージ
         ランプを確認します。
        (チャージランプが消えた状態なら、レギュレータの故障になり、点灯しているようなら、レギュレータ以外の故障になります。)


      ・ダイオードボード(正式には、レクチファイアーと言いますが、ここではダイオードボードと呼んでいます)
        ダイオードボードは、エンジンのフロントカバー内にあり、オルタネーターで発生した交流電流を直流電流に変換を行ないます。
        充電系のトラブルで発生しやすいのが、このダイオードボードの故障があります。ほとんどの原因が、エンジンの熱による劣化と、
        振動によるダイオードボードの故障があります。
        また、モノサス等ではダイオードボードを固定するボルトが防振ボルト?(ボルトの真ん中部分がゴム)になっていて、エンジンの
        熱でゴムの部分が劣化・破損し、故障の原因である「振動による破損」の発生源になっているそうです。
        2本サスの場合は、普通のボルトで直接固定しています。(ボルトが緩んで、ダイオードボードが破損する可能性はあります。)
        また、ダイオードボード固定用の穴の上段2つは、ボディーアースとして使用されており、2本サスは直接エンジン本体へアース
        いて、モノサスは、固定ボルトとダイオードボードの間にあるアース線により、エンジンへアースを行なっています。
        まれに、このアース部分が接触不慮を起こし、充電不慮を起こします。

        MEMO
        ・フロントカバーを開ける場合、バッテリーの−端子を外して作業してください。
        ・ダイオードボードの固定ボルト(防振タイプ)は、現在、対策品が社外品で販売されています。
         (防振ボルトは、セルモータ側で固定されているので、セルモータカバーやセルモータを外す必要があります。)
        ・社外品(USA製)で、高性能のダイオードボードが販売されています。


        ダイオードボードのテスト
        充電不慮が発生した場合、ダイオードボードのテストを行ないます。

        ダイオードボード

        @バッテリーの−端子を外し、フロンとカバーを外して、ダイオードボードを取り外します。(外した配線の位置を、記録してください。)
        Aダイオードボードを上の写真の様にします。
        B写真の"A"の部分にテスターの(−)端子をあて、テスターの(+)端子を写真の"W・V・U"の部分へ順番に当てていきます。
         3個所全部でテスターが反応することを確認してください。(反応が無い場合は、ダイオードボードの故障です)
        C次に、写真の"B"の部分にテスターの(−)端子をあて、テスターの(+)端子を写真の"W・V・U"の部分へ順番に当てていき、
         3個所全部でテスターが反応しないことを確認してください。(反応がある場合は、ダイオードボードの故障です)
        D次に、写真の"D+"の部分にテスターの(−)端子をあて、テスターの(+)端子を写真の"W・V・U"の部分へ順番に当ててい、
         3個所全部でテスターが反応しないことを確認してください。(反応がある場合は、ダイオードボードの故障です)
        E最後にダイオードボードを裏返し、それぞれのダイオードの半田が外れていないか確認してください。

        ※上記のテストを行なって問題がない場合、ダイオードボード以外の故障になります。


      ・オルタネータ
        オルタネータは、フロントカバー内にあり、クランクシャフトの先端に取り付けられているローターと、ロータを囲むように取り付け
        られたステータコイルから構成されています。
        オルタネータは、ロータが回転することでステータコイルで交流電流を発生させるしくみになっています。(モータの逆の原理です。)
        年式が古い車両は、このロータが断線し発電不慮を起こすことがあります。(まれに、ステータコイルが断線する場合があります)
        また、ステータハウジング(ステータコイルを取り付けたケース)に取り付けられたカーボンブラシの摩耗や、カーボンブラシを
        押さえるスプリングがへたり発電不慮を起こします。

        MEMO
        ・フロントカバーを開ける場合、バッテリーの−端子を外して作業してください。
        ・ロータが断線しても修理が可能なので、交換しても手元に残すことをお勧めします。
        ・ロータを取り外すには、特殊工具が必要になります。
        ・社外品(USA製)に、発電電流を400W(ノーマルは、240〜280W)の高出力にすることが出来る、キットが販売されています。


        ステータコイルのテストとカーボンブラシの交換
        充電不慮が発生した場合、ステータコイル及びカーボンブラシのテストを行ないます。
        ステータコイルのテストは、車体から外さなくても出来ますが、カーボンブラシを交換する場合は、車体からステータハウジング
        ごと外す必要があります。
        また、カーボンブラシを交換する場合、ハンダ及びハンダごてが必要になります。

        ステータハウジング

        ステータコイルのテスト
        @バッテリーの−端子を外し、フロンとカバーを外します。
        A配線Y・W・V・U、及び、カーボンブラシ部分の配線D−・D+を外し、ビニールテープ等で絶縁します。(上記の写真参照))
        BステータハウジングとW・V・Uの各端子間をテスターで、導通をチェックします。
         (導通している場合は、断線の可能性があります。)
        C次に、W・V・Uの各端子同士でテスターで、抵抗を計ります。(抵抗値は、リペアマニュアル等で確認してください。)

        カーボンブラシ及びカーボンブラシ押さえスプリングの交換(2づつあります)
        カーボンブラシは、常にロータのリング部分に接触していますが、カーボンブラシが摩耗し短くなったり、カーボンブラシを押さえて
        いる押さえスプリングが弾性を失い、カーボンブラシを押さえる力が弱くなってきた場合、発電不慮を起こします。
        @ステータハウジングを取り外します。外す時に、カーボンブラシが引っかかるので、カーボンブラシを持ち上げて外します。
        A外したステータハウジングから、カーボンブラシを固定しているホルダーごと外します。ホルダーは、ステータハウジングの
         表・裏に固定用ナットが有るので注意してください。(上記の写真を参照)また、固定ボルトの片側はステータハウジング
         から絶縁する為の物が付いていますので、無くさないでください。ホルダーを付ける時に、入れ忘れないようにしてください。
        B次に、カーボンブラシをホルダーから取り外しますが、カーボンブラシはホルダーにハンダ付けされていますので、ハンダごてで
         ハンダを溶かし、カーボンブラシ取り外します。ハンダを溶かすのに、少し時間がかかります。少しでも早く外した場合は、
         ハンダを少し削り落としておくと、とけやすいです。
        Cカーボンブラシを新品に換え、ホルダーにハンダ付けをします。また、同時にカーボンブラシの押さえスプリングも、新品に
         交換した方がいいと思います。
        Dホルダーをステータハウジングに取り付ける時は、取り外した時に外した絶縁物を必ず、取り付けてください。
         (この場所が絶縁されていないと、発電不慮を起こします)

        おまけ
        ステータコイルを取り外す場合、Y端子(ステータコイル側)を外し、W・V・U端子部分のハンダを溶かして外します。
        また、Y端子もステータハウジングから絶縁されていますので、取り付け時は必ず絶縁してください。
        (この場所が絶縁されていないと、発電不慮を起こします)
        ステータハウジングを取り付け後、W・V・U端子へ配線を戻しますが、もしも、W・V・U端子の配線がどのように配線されて
        いたかわからなくなった場合は、配線を見ると判ると思います。(外した時の形になっていると思います。)それでも分からない
        場合は、W・V・Uの端子へ適当につなげます。(問題ありません)
        但し、W・V・Uの配線以外は、適当に繋げないでください。

        ロータのテスト
        古い車両は、このロータが劣化して断線し、発電不慮を起こします。
        ロータを取り外すには、特殊工具が必要です。

        ロータ


        ロータのテストを行なう場合は、ロータを取り外す必要はありませんが、ステータハウジングを付けたまま行なう時は、
        カーボンブラシを両方(前後)を持ち上げて、ロータに接触しないようにします。
        ロータのテストは、ロータのリング部分間(D+とD−)の導通及び抵抗値を調べます。
        (抵抗値は、サービスマニュアルで確認してください。)


      ・IGコイル
        IGコイルは、エンジンの燃焼室で圧縮された混合ガスを、点火プラグで燃焼させる際に、点火プラグに必要な高電圧を
        発生させる為の物です。(原理は、説明が大変なので省略します。)

        IGコイルのパンク
        モノサス以降の車両で、偶にIGコイルがパンクし走行不能になる場合が有ります。原因は、わかりませんが何らかの問題で、
        IGコイルに負荷が掛かりパンクすると思われます。
        また、IGコイルが未対策(どう理由の対策かは、知りません。ごめんなさい)の場合、IGコイルがパンクする場合が有ります。
        対策?として、対策済みのIGコイルに交換する方法と社外品のIGコイルを使用する方法があります。対策品のIGコイルは、
        純正部品の為、交換は容易ですが、社外品の場合、専用ステーの使用又はフレームの一部に加工や工夫が必要になる場合が
        有ります。

        MEMO
        ・社外品を使用する場合、御自分の車両のIGコイルの出力が何Ωなのか知っておく必要が有ります。
         (車種・年式によって、出力が異なります。)
        ・2本サスの場合、モノサスのIGコイルとは別物で、お互いに互換性があるかは不明です。
        ・2本サスのIGコイルは、6Vのコイルを2つ直列(それぞれのコイルが左右のシリンダーへ接続)に繋いでいる為か、故障が
         無い(少ない)ようです。(これが、本当で関係があるか分かりません。)
        ・社外品に交換するとそれなりに、高出力で安定した高電圧を発生させ性能アップします。


      ・IGコントローラ(ブラックボックス)
        IGコントローラ(ブラックボックス)は、カムシャフトの先端部にあるイグニッション・トリガー(フロントカバー内の金属製の缶)
        より検出された信号(点火タイミング)を受け取り、その信号によってIGコイルへ、点火に必要な電気を流します。(フルトラ点火)
        ・2本サスは、IGコントローラをフルトラ点火と、昔からあるポイント点火式があります。ポイント式はフルトラ化にもできます。

        MEMO
        ・IGコントローラ(ブラックボックス)は、3回も仕様が変更されています。それにより、IGコイルの出力時の抵抗値も変更され
         ているそうです。(部品番号は同じで、文字の色が異なります)

        

        ・白又はピンク(写真の左2たつ)色の文字の場合、対応するIGコイルは1.5Ωになり、水色(写真右)の場合の対応する
         IGコイルは0.7Ωだそうです。
        ・新品をディーラーに注文すると、1番新しい水色の物がきます。
        ・新しいIGコントローラ(IGコイル0.7Ω対応)に交換した場合、以前についていた3Ωや1.5ΩのIGコイルを使用しても
         問題がありませんが、今ついているIGコントローラと前のタイプ(文字が白又はピンクで、1.5Ωのやつ)と勘違いして、
         古いタイプのIGコントローラと0.7ΩのIGコイルを組み合わせた場合は、IGコイルがパンクする可能性があります。



13   キャブレター関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー



16   ガソリンタンク関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー
ガソリンの種類 ハイオク
(一部レギュラー)
←← ハイオク



      ・レギュラーとハイオクどっちを入れるの
        ほとんどのモデルは、ハイオクガソリンを使用します。ですが、一部の車種にはレギュラーガソリン仕様がありますので、
        取説又はディーラー等での確認が必要です。間違って入れても、それほど大きな問題(エンジンが壊れる等)はすぐには起きません
        が、出来る限り元に(指定のガソリン)戻した方が良いかと思います。
        ハイオクガソリン指定の車両に、レギュラーガソリンを入れても問題ありませんが、ノッキングが頻発したり、若干のパワー不足
        などが起こります。レギュラーガソリンを入れる時は、市販の添加剤(ガソリンのオクタン価を上げるもの)を一緒に使用した方が
        良いかと思います。
        ・注意:「ガソリンの価格が高いから、レギュラーを入れよう」「お金に余裕があるから、ハイオクを入れよう」と、考える方がいるかと
             思いますが、出来る限る指定ガソリンを入れましょう。それは、エンジン自体の設計が、指定ガソリンを使用する前提で
             行われている為、指定ガソリン以外を使用した場合、エンジンが持つ本来の性能が発揮されなくなってなってしまいます。

       MEMO
        ・外国車にハイオク指定が多い理由は、生産国のガソリンのオクタン価の違いが有るためです。ある国では、レギュラーガソリン
         でも、オクタン価が、日本のハイオク並みのオクタン価が設定されている場合があり、日本でもそのままレギュラーガソリンを
         エンジンが持つ本来の性能が発揮できなくなります。そのため、日本に輸入される車両のガソリンの指定は、生産国のガソリン
         に合わせる形で指定されます。(日本仕様車は、この辺も考慮されていると思います。多分・・)


      ・OHV-Rって有鉛ハイオク指定らしいけど
        OHV-Rのハイオク仕様車は、すべて有鉛ハイオク指定になっています。ですが、今の無鉛ハイオクを使用しても問題ありません。
        また、4輪等で良く行われている無鉛加工(バルブガイドのバルブ周りの部品を加工し、無鉛ガソリン仕様に変更)は、急いで
        行わなくても問題ありません。(無鉛加工をしなくても、調子良く乗れます。)
        無鉛加工は、エンジンのOH等を行う時に、ついでの作業としてやってもらった方が良いと思います。(どうせバラしますから。)


      ・ガソリンがあるのに、ガス欠状態
        高速道路等で走行中に、ある速度を出そうとするとガス欠状態になって、慌てて速度を落とすと何も無かったように走り、さらに、
        SA等でガソリンをチェックするとまだガソリンが入っていると言う不思議な状態になる場合があります。
        これは、キャブへ送られるガソリンの量が何らかの原因で少なくなり、高速走行等で消費する量に対して、キャブへ送られるガソリン
        の量が追いつかない時に多く発生します。
        大抵の場合、左右どちらかのガソリンコックが開いていない事があります。また、モノサス等ではガソリンタンクのブリーザーホースが
        ふさがっている(ゴミやタンクを外した際に、フレームの間に挟まった等)場合、ガソリンコック内のフィルターがゴミで目詰まり
        を起こしている場合、キャブ内で詰まっている場合もあります。


      ・ガソリンコック
        一部の車種以外は、ガソリンタンクの左右にガソリンコックがあります。これは、ガソリンタンクの内部が途中でフレームを挟む
        様に左右に分かれている為、ガソリンコックが左右それぞれに付いているからです。ガソリンコックは、一見、左右のキャブに
        それぞれ直接繋がっているように見えますが、エアクリナーボックス付近で左右の燃料パイプが繋がっています。
        それにより、左右どちらかのタンクのガソリンが先に無くなっても、片方のタンクから左右のキャブへガソリンが送られます。
        人によってその特性(ガソリンタンクが左右に別れていること)を利用し、予備タンク的に利用する人もいらっしゃいます。
        ・最初は、左右のガソリンコック開いて走行し、ガソリンが無くなりリザーブを使用する時に、左右どちらかのガソリンコックのみを
         リザーブにしてガソリンを使用し、それでも足りない場合にもう片方(最後のガソリン)を使用するやり方です。

        MEMO
         ・停車時は、必ずガソリンコックを閉じるようにしてください。場合によりキャブへガソリンが送り続けられて、キャブからガソリンが
          漏れ出す場合があります。


      ・ガソリンタンク内が錆だらけ?
        ガソリンタンクの給油口から内部を見てみると、内部がびっしり茶色をしています。始めて見ると、ガソリンタンクの内部が錆びて
        いるのかと思われますが、実はメーカーが工場で行なったコーティング(錆止め)の色なのです。ですが、実際ガソリンタンク内部
        が錆ている場合もあります。

        MEMO
         ・錆止めのコーティングを行なう場合、最初から行なわれているコーティングを剥がす必要がありますが、このコーティングは
          なかなか剥れないそうです。
         ・冬場や日中と夜間の気温差が激しい場合、定期的に水抜き剤を使用し、タンク内の水を抜けば錆が発生しにくくなります。


        ・タンクキャップが外れない
        OHV-Rのガソリンタンクキャップは、なぜかショボイ?くて、タンクキャップのカギを回しても内部のネジ部分が空回りして、
        タンクキャップが外れないことがあるそうです。考えられる原因としては、長年の使用で洗車時や雨・湿気等でタンクキャップ部分
        からロック部分内に侵入し、ロック機構部分やネジ部分が錆びついてしまう場合があります。(カギが磨耗してる場合もあります)
        対応(タンクキャップの外し方)として、タンクキャップ部分の周辺にCRC等の潤滑剤を吹き付け、タンクキャップの周りをタンクに
        傷がつかない程度に叩きながら、タンクキャップのトッテを利用して引張り上げるように力を入れてやると、タンクキャップが
        外れる可能性が高いそうです。(結局は、力技になります。)
        また、どうしても外れなくてカギを壊す場合は、タンク内のガソリンを抜くなどの安全対策を行なって作業するか、ディーラーに
        相談してみてください。
        対処後は、外れなくなっていたタンクキャップ再利用しないで、新品に交換することをお勧めします。

        MEMO
        ・車種によっては、タンクキャップの形状・ロック方法が異なります。
        ・2本サス初期の車両には、タンクキャップにカギが無いものもあります。(カギつきに交換できます。)
        ・タンクキャップが外れなくなるのがいやな方は、ロックしないと言う方法もあります。
        ・バイクのカギとタンクキャップのカギを同じカギにすることが可能です。(別の項目にて。)

      ・タンクから伸びているホース
        ここで言うホースとは、燃料ホースとは別にガソリンタンクの底部から伸びているホースです。車種によって無いものがあります。
        このホースは、タンクキャップ部分の小さな穴に繋がっているブリーザーホースで、反対側は車両の下にたらすようになっています。
        また、タンクを脱着した際は、このホースをフレーム等に挟んだり、折れ曲がったりしてホースが塞がらないように注意してください。
        (ホース内に水が溜まり、結果的にタンクやタンクキャップ部分の錆等の原因になる可能性があります。)


18   マフラー関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー


      ・マフラー
        2本サスとモノサスのマフラーには、車種によってマフラーが異なる物があります。違いというのは、マフラーのエキパイ側のサイズ
        が38φと40φの違いです。これは、一部のモデルにシリンダーのエキゾーストのサイズが、40φになっているものがある為です。
        もしも、マフラーを交換される場合、新しいマフラーを購入される場合は、エキパイのサイズの確認が必要です。
        (サイズが合わない場合でも、お店によってはアダプタを作成してもらえる所もあります。)


      ・エキパイナットの外し方
        シリンダーヘッドを外す場合、どうしてもエキパイを外さなければなりません。ですが、エキパイを外すにはシリンダーヘッドと
        エキパイを固定している星型のエキパイナットを外さなければなりません。その星型のナットは、専用の特殊工具が必要になり、
        しかも高トルクで締め付けられており、場所的に高温になる為ネジ山がかじり易くなっています。
        この、星型ナット(エキパイナット)を外す場合、潤滑剤を掛けまくったり、ヒートガン等で温めるなどを事前に行い、特殊工具の握り
        部分をパイプ等で延長して、大きな力で外します。それでも外れない時や、変な手応えがあった時は、エキパイナットを外すのを
        止め、エキパイナットをタガネ等で破壊した方が安全です。シリンダーヘッド側のネジ山を修正するより、エキパイナットを新品に
        交換する方が安くすむからです。(エキパイナット外す場合、車体が倒れないように気おつけてください。)



  21   クラッチ関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー
クラッチの種類 乾式単盤 ←← ←←


      ・クラッチが切れなくなった
        長期間乗らないでいると、クラッチが切れなくなる場合があります。原因としては、クラッチが錆で固着してしまい、結果的に
        クラッチが切れなくなるそうです。

         ・対処
          @センタースタンド・サイドスタンドを外し、乗車します。(オートバイが動いても、安全な場所でお願いします)
          Aエンジンをかけ、暖気を行います。(特にやらなくても平気です)
          Bある程度エンジンが温まったら、フロントブレーキとクラッチレバーを握ります。
          C回転数をすこし高めにして、ギアを1速に入れて、エンストさせます。
           (エンスト時の衝撃を利用して、クラッチを引っぱがします)
          ※もしも、上手く行かない場合は、2〜3回繰り返して見てください。
          ※また、これ以外にも方法があります。


      ・クラッチの切れがおかしい
        走行中等で急にクラッチが切れない又は、切れたままなってしまう状態になり、一度オートバイを停止させて原因を調べても
        原因が判らず、駄目元でクラッチを操作して見ると、何も無かったかのようにクラッチが動作するという現象が、何度も発生する事
        が稀にあるそうです。
        しかし、この現象が必ず発生する訳で無いので安心してください。この現象の原因は、クラッチレリーズベアリングと言われる部品が、
        走行中の温度上昇でいびつ(ゆがみ?)になり、クラッチが切れない又は切れたままになるようです。そして、車両を止めると温度が
        下がり、クラッチが再び操作出来るようになるそうです。(この状態で、また走り出すと同じ現象が起こります。)
        修理としては、このクラッチレリーズベアリングを交換するだけだそうです。


      ・クラッチワイヤーの調整の仕方
        クラッチレーバーの位置が遠い又は近すぎ、クラッチワイヤーの遊び(レバー側)等の調整をしたい場合のやり方です。
        方法は、最初にミッション側(クラッチ側)のアーム部分で調整を行い、それからレバー側で調整を行うそうです。
        ミッション側を調整する場合、調整ナットとロックナットが有りますので、ロックナットを緩めてから調整ナットで調整
        してください。また、ミッションのアーム部分にグリスニップルが有るので、たまにグリスガン等でグリスの補充を行って
        ください。



23   ギアボックス関連   目次

      ・DATA

    
-- 2本サス モノサス パラレバー
ギアボックスの種類 ドッグクラッチ付き常時噛合い式5段変速
(一部4段変速)
ドッグクラッチ付き常時噛合い式5段変速 ←←
ギアチェンジ方式 セレクタープレート及びシフトフォークによる ←← ←←
ギア比 1st ギア  4.4:1
2st ギア  2.86:1
3st ギア  2.07:1
4st ギア  1.67:1
5st ギア  1.50:1
←← ←←
ギアオイルの種類 ハイポイドギアオイル
(API:GL5以上)
←← ←←
オイルの粘度 SAE80W−90 ←← ←←
オイル容量 0.8L ←← ←←
交換サイクル 約6,000Km ←← ←←
フィラープラグ
締め付けトルク
25Nm ←← ←←
ドレインプラグ
締め付けトルク
30Nm ←← ←←

              

            写真:左 ミッションOILの注入口  写真:右 ミッションOILのドレインボルト


      ・ミッションオイルの交換
        BMWの場合、国産のオートバイと違ってエンジンとギアボックスが独立した形(国産車は、エンジンオイルでギアも潤滑
        といった形で、エンジンとギアボックスが一体化している)になっている為、エンジンオイルとは別に、ミッションオイルも定期的に
        行う必要があります。ミッションオイルを交換すると、ギアボックス内の保護と同時に、シフトチェンジもスムーズに行い易くなります。

         ・ミッションオイルの交換サイクル
           ・一般的には、年式・車種に関わらず、約6000Km毎に行います。

         ・使用するオイル
           ・サービスマニュアルで指定されているミッションオイルの粘度は、「80W−90」が指定されていますが、「80W−90」前後
            のオイル「75W−140」や「85W−140」等でも問題ありません。ただし、ミッションオイルのAPI規格が「GL−4」
            以上の物(規格にある数値が大きくなるにつれて、上質になります)を使用して下さい。
            (現在、販売されているミッションオイルは、ほとんど「GL−5」です)
           ・ミッションオイルは、国産車で使用される事が少ないので、おそらくバイク用品店には、ほとんど置かれていないと思います。
            その場合(最初から?)、車の用品店へ行けば該当する粘度のミッションオイルが入手出来ます。
            (置いて有る銘柄は、少ないですが)

         ・準備する物
           ・8mmヘキサゴンレンチ ×1 オイルの注入口の脱着用
           ・19mmメガネレンチ又はスパナ ×1 オイルドレインボルトの脱着用
           ・ミッションOIL 約800cc
           ・自転車のオイルさしの様な容器又は、漏斗等 ミッションOILの注入に使用
           ・オイル受け 抜いたオイルを受ける為に使用
           ・ガスケット 注入口及びドレインボルトそれぞれに使用
           ・トルクレンチ 注入口及びドレインボルトのトルク管理用(あれば)

         ・手順
            1:車両をセンタースタンドで停める
            2:ミッションオイルのドレインボルトの下に、オイル受けを置く
            3:19mmのメガネレンチ又はスパナで、オイルドレインボルトを外す
              ドレインボルトの緩める方向に注意して下さい。また、ドレインボルトのガスケットも外れている事を確認
              して下さい。ミッション側に着いている場合があります。
            4:8mmのヘキサゴンレンチで、チェンジペダルの側にある注入口のボルトを外す(ガスケットと一緒に)
            5:ミッションオイルが全て抜けきったら、ドレインボルトをきれいに掃除し、新品のアルミガスケットを取り付け、
              ミッションに取り付ける
              ドレインボルトの締め付けトルクは、25Nm トルクレンチがない場合は、アルミガスケットが潰れる程度で締め付ける
            6:ミッションオイルをオイルさし等に、移す。漏斗を使用してもいいですが、注入口が小さいのと穴が水平方向にある為、
              作業がやりにくいので工夫してください。
            7:注入口から、ミッションオイルを入れる
              規定では、800ccのミッションオイルを入れますが、実際に、800cc全部は入りません。目安として、注入口からオイルが
              溢れて来るぐらいで問題ありません。
            8:注入口のボルトに新品のアルミガスケットを取り付け、ミッションに取り付ける
              注入口のボルトの締め付けトルクは、 30Nm トルクレンチがない場合は、アルミガスケットが潰れる程度で締め付ける

         ・注意
           ・ボルトは、出来る限りトルクレンチを使用して下さい。
           ・ガスケットは、必ず新品に交換し、古いガスケットは再利用しないで下さい。
           ・ボルトを外した際に、古いガスケットが一緒に外れている事を確認して下さい。
           ・ドレインボルトには、磁石が付いているので、磁石に通常より多い鉄粉が付着していないか確認する。
           ・ミッションオイルは、独特の強烈な匂いが有るので、風通しの良い場所で作業した方がいいです。


      ・ギアボックスの互換性
        2本サスとモノサスのギアボックスは、互換性がありますが、一部の車種(4速ミッション等)の物は互換性があるかは不明です。
        また、ギアボックス内部の部品にも互換性がありますが、年式により互換性の無い物がありますので、パーツリスト等で確認して
        下さい。


      ・シフトチェンジ出来ない
        走行中に、シフトチェンジをしようとしてチェンジレバーを動かしても、シフトペダルがスカスカでギアが入らなくなった状態
        (ペダルは、動くが上にも下にもギアが入らず、ニュートラルの状態)になった場合、おそらくギアボックス内のスプリングの
        折損が原因と思われます。状況にもよりますが、車体を90度以上横に倒しシフトチェンジを行うと、ギアが入る場合があります。
       (必ずでギアが入る訳では、ありません。ギアは、どこでも入る訳でなく、入らなくなった場所のギアにしか入らない様です)
        故障後の対処として、車両又はミッションのみをディーラーに持ち込み修理してもらうか、故障していない中古のギアボックスを
        入手して交換するという方法もあります。ギアボックスの交換及びギアボックスのみをディーラーに持ち込む場合、ギアボックス
        の脱着が必要になりますので、それなりの経験や手順・工具等が必要になります。


      ・キックの取り付け
        2本サス初期以降からモノサスの一部の車両以外(は、キックは付いていません。ですが、オプション設定で取り付ける
        事が可能です。キックを取り付ける場合、部品代金及び取り付け工賃(ギアボックスの脱着及びバラシ作業)で約10万ぐらい
        掛かる様です。ただし、ギアボックスのみをディーラーへ持ち込んでお願いすると、その分(ギアボックスの脱着の工賃)安く
        なります。


      ・ギアボックスの分解&修理
        ギアボックスの脱着までは、ある程度の経験と工具があればそれなりに出来ると思います。(それでも大変ですが)
        ですが、その先のギアボックスの分解&修理になるとさらに大変です。ギアボックスのケースを開けるのに、ミッションケースを
        暖める必要があったり、高トルクで締め付けられている場所があったりします。また、内部もいろいろなシムによる調整や
        プーラー等の特殊工具が必要になり、かなりの経験が必要とされます。
        一度、ギアボックスを分解した事があるかたのお話では、「それなりの理由が無い限り、分解したくない」との事です。


      ・シフトペダルのポジションラベル
        シフトペダル又は、シフトペダル付近に当たり前のように、シフトペダルのポジションを示すラベルが貼ってあります。
        実は、このポジションを示すラベルが無い又は文字が消えて見えない場合、車検が通らないそうです。
        ディーラーで車検を通す場合、ディーラーがラベルを確認して、ディーラーでラベルを貼って通してくれます。
        ユーザー車検等の場合、ディーラーやその辺のバイク屋(BMW以外でも)に相談すれば、ラベルだけを購入することが出来ますし、
        ただシフトペダルのポジションが判れば車検が通りますので、テープにポジションを書き込みシフトペダルの近くに貼れば、車検は
        簡単に通ります。



26   ドライブシャフト関連   目次

      ・DATA

    
-- 2本サス モノサス パラレバー
ギアオイルの種類 ハイポイドギアオイル
(API:GL5以上)
←← −−
オイルの粘度 SAE80W−90 ←← −−
オイル容量 0.15L ←← −−
交換サイクル 約6,000Km ←← −−
フィラープラグ
締め付けトルク
15Nm ←← −−
ドレインプラグ
締め付けトルク
20Nm ←← −−


      ・シャフトオイルの交換
         ・シャフトオイルの交換サイクル
           ・一般的には、パラレバー以外の車種は、約6000Km毎に行います。パラレバーの車両には、シャフトオイルが使用されて
            いません。

         ・使用するオイル
           ・ミッションオイルと同じ物を使用します。

         ・準備する物
           ・
           ・ミッションオイル 約150cc
           ・自転車のオイルさしの様な容器又は、漏斗等 ミッションオイルの注入に使用
           ・オイル受け 抜いたオイルを受ける為に使用
           ・ガスケット 注入口及びドレインボルトそれぞれに使用
           ・トルクレンチ 注入口及びドレインボルトのトルク管理用(あれば)

         ・手順
            1:車両を安定した場所に停める。
            2:ファイナルギアとスイングアームの連結部分にあるシャフトオイルのドレインボルトの下に、オイル受けを置く
            3:ファイナルギアとスイングアームの連結部分の下側にある、シャフトオイルのドレインボルトを外す。
              ドレインボルトのガスケットが、ドレイン部分に付いていないか確認します。(ガスケットは、毎回交換)
            4:スイングアーム内のオイルが全て抜けきったら、ドレインボルトに新品のガスケットを取り付け、規定トルク
              で締め付けます。(トルクレンチがある場合。締め付けトルク 15Nm)
              トルクレンチがない場合、アルミのガスケットが潰れる程度で締め付けます。

              
            写真:左 シャフトオイルの注入口  写真:右 シャフトオイルのドレインボルト
           ※注入口及びドレインボルトの位置は、2本サス・モノサスとも同じ場所にあります。

            5:注入口のボルトを外し、ガスケットも取り外します。
            6:注入口より漏斗等で、ミッションオイルを150cc入れます。
            7:注入後、注入口のボルトに新品のガスケットを取り付け、規定トルクで締め付けます。
              (トルクレンチがある場合。締め付けトルク 20Nm)
              トルクレンチがない場合は、アルミのガスケットが潰れる程度で締め付けます。

         MEMO
         ・パラレバーの場合、スイングアームにオイルが入っていないため、オイル交換はありませんが、たまに、ディーラで、
          ドライブシャフトの状態を確認してもらって下さい。パラレバーは、オイルを使用しない代わりに、ベアリング部分に耐荷重
          のグリスを使用していますが、年月共にグリスが劣化し、最終的ににベアリングが破損する事があります。


      ・スイングアームからのオイル漏れ
         ・パラレバー以外の車両で、スイングアームにオイルが頻繁に付着している場合、まず、付着しているオイルの色及び
          においを確認します。これは、付着しているオイルがギアオイルなのかエンジンオイルなのかを判断するためで、色が
          黒く、においがしない場合は、エンジンオイルが付着していると思います。色が無色又は飴色で、においが硫黄のような、
          場合は、ギアオイルが付着していることになります。
          付着しているオイルがギアオイルの場合、多くが、ミッションとスイングアームの間にあるゴムブーツの破損又は固定バンド
          の緩みによって、オイルが漏れることがあります。固定バンドの緩みなら、固定バンドを締めるだけでいいのですが、問題は、
          ゴムブーツが破損していた場合です。ただ、ゴムブーツを交換すればいいんじゃないの?と思われますが、このゴムブーツを
          交換するには、スイングアームをミッション及びフレームから切り離す必要があり、工具がない(特にトルクレンチ)と、作業に
          ならないと思います。(ゴムブーツに問題がない場合、ミッションからのオイル漏れの可能性があります)

         MEMO
         ・パラレバーの車両で、スイングアームにギアオイルが付着している場合、ミッションからのオイル漏れの可能性があります。
         ・応急処置として、市販のシール剤(ゴム製品用)でごまかすか、ちょっと面倒ですがゴムブーツの固定バンドを緩め、ゴム
          ブーツの穴が上になるように回して、固定バンドを締め付ける方法があります。
         ・なぜ、ファイナルギア側でなく、ミッション側のゴムブーツからオイルが漏れるかと言うと、走行中のスイングアームのオイルは、
          ドライブシャフトにかき回されている状態になっている為、遠心力によってスイングアームの内壁に押し付けられ、ゴムブーツ
          まで液面が上昇していき、(コップに入った水をストーローでかき混ぜると、水がこぼれるのと同じ)その状態によってドライブ
          シャフトのユニーサルジョイントを潤滑しています。また、ブレーキを掛けて速度を落とすと、慣性によって、段差等を乗り越える
          事で、スイングアームが水平状態になり、ミッション側へオイルが移動します。


      ・スイングアームのピポットのナット
         ・スイングアームのピポット部分のナットを外す場合、27mmと言う大きなサイズのソケットが必要になります。
          ですが、車種によってピポット部分とナットの隙間が狭く、せっかく買ったソケットが入らない場合が有るので、買う前に
          ピボット部分のサイズの確認を行って下さい。27mmのソケットでもソケットの外径が、メーカーによって異なります。

         MEMO
         ・2本サスの場合、ピボット部分のサイズが約35mmで、これに合うソケットはほとんど見つかりません。お店に売っている
          ソケットのほとんどが36mmですが、KTC「ネプロス」の27mmのソケットは、35.1mmで見事に使用できます。
          それ以外の場合、外径36mmのソケットを旋盤やグラインダーで削るか、地道に探すしかありません。
          ソケットを探す場合、最近のソケットより昔のソケットの方が、外径が小さいようです。
          また、インチサイズで1−1/16インチ(26.9mm)の物で探す手もあります。
         ・モノサス以降の場合は、外径が36mmのソケットでも使用できるそうです。(一応、確認してください。)



31   フロントフォーク関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー
フロントフォークの方式 テレスコピックフォーク
(正立サス)
フォークオイルの種類 ショックアブソーバ用オイル
オイル粘度 #10(SAE:10相当
#5(SAE:5相当)
オイル容量 車種により異なる
交換サイクル 約6,000Km



32   ハンドル関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー
ハンドルサイズ(直径) 22mm ←← ←←



33   リア(ファイナル及びリアショック)関連
      ・DATA

    
-- 2本サス モノサス パラレバー
ファイナルギアの
種類
ファイナルギアの
ギア比
ギアオイルの種類 ハイポイドギアオイル
(API:GL5以上)
←← ←←
オイルの粘度 SAE80W−90 ←← ←←
オイル容量 0.25L ←← ←←
交換サイクル 約6,000Km ←← ←←
フィラープラグの
締め付けトルク
ドレインプラグの
締め付けトルク


      ・ファイナルギアとディファレンシャルギアの違い
         ・よく、BMWのリア部分をデフ(ディファレンシャルギア)と言われる方がいらっしゃいますが、実際にはファイナルギアと言います。
          デフ(ディファレンシャルギア)とは、主に自動車に使用される物で、片側の車輪に抵抗が発生し、車輪の回転力が落ちたとしても
          反対側の車輪の回転力が落ちないようにする機構です。(詳しく説明しません)
          一方、ファイナルギアは、最終減速機としての機能を持ちますが、一番の目的は、エンジンからの回転方向を変換する為で、
          ディファレンシャルギアのような、回転力をコントロールする機能はありません。(必要もありません)
          BMW乗りの方の場合、ファイナルギアでもデフでもどの部品の事を指しているのか判ってもらえます。



34   ブレーキ関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー
F_ブレーキの種類 ドラム(/5)
Sディスク(/6)
Wディスク(/7以降)
Sディスク(GS等)
Wディスク(GS等を除く)
Sディスク(GS等)
Wディスク(ミスティック等)
Sディスク(ミスティック以外)
R_ブレーキの種類 ドラム
ディスク(81〜84年の一部)
ドラム ドラム
ブレーキフルードの種類 ブレーキフルード(DOT4) ←← ←←
オイル容量 車種により異なる ←← ←←
交換サイクル





36   タイヤ及びホイール関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー
F_タイヤサイズ 3.25S×19
3.25H×19
90/90-18 51S
90/90-18 51H
90/90-21S(GS)
110/80V18(R100R)
R_タイヤサイズ 4.00S×18
4.00H×18
120/80-18 65S
120/90-18 65H
130/80-17S(H) (GS)
110/80V17(R100R)
F_タイヤ空気圧
(乗車人数 1人)
1.9(bar) 2.2(bar) 2.2(bar)
F_タイヤ空気圧
(乗車人数 2人)
2.1(bar) 2.5(bar) 2.5(bar)
R_タイヤ空気圧
(乗車人数 1人)
2.0(bar) 2.4(bar) 2.4(bar)
R_タイヤ空気圧
(乗車人数 2人)
2.2(bar) 2.9(bar) 2.9(bar)
*複数記載されている値は、モデルによる違いです。


      ・空気圧の調整は、冷間時の方が良いの?
         ・タイヤの空気圧の測定及び調整は、走行前のタイヤが冷えている時に行なう方が正確だそうです。理由としては、走行直後の
          タイヤを触ってみると判ると思いますが、路面との摩擦により熱を持ち、タイヤ内の空気が熱により膨張して通常より高い空気
          圧になっています。
          だからと言って、高速道路や一般道のガソリンスタンド等での調整はやらない方が良いのかと聞かれると、別にどこでも一緒だ
          と思います。但し、常識の範囲での空気圧で、走行に特に支障の無いタイヤ(溝が無い・古いタイヤは、例外)の場合です。
          それは、別にレース等に出場している訳でも無いので、そこまで正確に測定し、調整しても意味が無いかと思います。

         MEMO
         ・タイヤの空気圧が低すぎる状態、タイヤの空気圧が高すぎる状態で走行を続けると、タイヤが偏磨耗したりパンク・バースト
          を起こす可能性があります。
         ・走行方法(レース走行・ダート走行)によって、空気圧を好意に変更する場合もあります。


      ・2本サスとモノサスのキャストホイールの違いは?
         ・2本サス用のキャストホイールと、モノサス用のキャストホイールを簡単に見分けるには、フロントホイールの場合、ホイールの
          中心部に有るディスクローターの固定ボルトの穴の数を数えると分かります。2本サスの場合は、5本のボルトで固定しますが、
          モノサスの場合は、4本のボルトで固定しています。
          では、リアホイールはどうかと言うと、モノサス用にはホイールの中心に穴が無く、中心部分に4つの穴が空いています。
          モノサスの場合、2本サスの様にアクスルシャフトを貫通させる必要が無く、ホイールをファイナルドライブに直接、固定ボルト
          で固定している為です。
          2本サスのリアホイールは、アクスルシャフトを使用する為、ホイールの中心にアクスルシャフトを貫通させる為の穴が空いて
          います。

         MEMO
         ・2本サスのリアホイールには、ディスクブレーキ用の物が存在します。
          (見分け方は、フロントホイール同様に、ブレーキディスクを固定する穴が5箇所空いています。)
         ・2本サス用のキャストホイールは、チューブが必要です。(チューブレスタイヤでは、有りません)
         ・モノサス用のキャストホイールは、チューブレスタイヤです。


      ・2本サスのアクスルシャフトに、種類が有るって本当?
         ・2本サス用のアクスルシャフトは、フロント用及びリア用とも2種類あります。フロント用は、75年〜76年に製造された車両
          を境に、アクスルシャフトの太さが14φから17φに変更されています。
          また、リア用のアクスルシャフトは、ドラムブレーキ用とディスクブレーキ用のアクスルシャフトが存在します。アクスルシャフト
          太さは17φで両方(ドラムブレーキ用とディスクブレーキ用)同じですが、ディスクブレーキ用のアクスルシャフトには、キャリパー
          サポートを取り付ける為の逃げ(アクスルシャフトの細い部分が、ドラム用より長い)が有ります。

         MEMO
         ・フロント用のアクスルシャフトを17φから14φへ、14φから17φへ変更することは可能ですが、その場合、ボトムケース・ハブ
          又は、キャストホイールの内部パーツ(ベアリングやカラー・シム等)の交換が必要になります。


      ・タイヤの偏磨耗
         ・タイヤの偏磨耗は、タイヤの空気圧の不足等の理由により、タイヤの左右(正面から見て)の磨耗の仕方が、均一(ほぼ対称的)に
          磨耗していない状態です。
          この状態で乗り続けるとパンクやバーストを起こすばかりでなく、走行中にフロントが暴れ(フロントが振るえる)て、ハンドルを
          手で押さえれないほどになり、走行に支障きたす可能性が有ります。
         ・また、似た状態にフロントホイール(ハブ)のベアリング・ステアリングヘッドの緩みやベアリングの不良の場合も、同様の症状
          が発生します。

         MEMO
         ・予防方法として、こまめにタイヤの空気圧を確認・調整することです。
         ・古くなったタイヤ(タイヤのサイドがひび割れたた物・タイヤのゴムが硬化した物)は、溝があっても諦めて、新品に交換した
          方が安全です。
         ・タイヤが偏磨耗し、フロントが暴れる症状が出た場合、タイヤがまだ使える状態でも交換した方が良いです。

      ・ホイールの互換性


46・51 外装・フレーム及びスタンド関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー





52   シート関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー





61   総合電送関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー
バッテリー電圧 12V ←← ←←
バッテリーのサイズ A19L ←← ←←
ヒューズの種類 8A×2(特殊型) 7.5A×1(ブレード型) ←←

              
          左:部品名                                  右:配線図(/6シリーズ用)


      ・ヒューズの種類と場所
        ・2本サスとモノサスとでは、ヒューズの場所及び種類が違います。
         モノサスは、ヒューズの入ったヒューズボックスがバッテリの側のフレームにあります。使用しているヒューズは、四輪や国産車
         と同じブレード型のヒューズを使用しています。
         2本サスの後期型は、モノサスと同じ場所にヒューズボックスが有りますが、前期型はライトケース内に有ります。
         さらに、ヒューズは欧州車等に使用されて特殊なタイプの物を使用しています。(ヒューズは、My100RS'89を参照してください)

        MEMO
         ・ヒューズ自体は、欧州車の四輪用でも使用できますが、四輪用は長さが少し長いので、少し無理をして装着しなければな
          りません。
         ・ヒューズは、あまり切れることがありませんが、ごくまれに接触不慮を起こす場合があります。
          (見た目には、切れていないのでヒューズが問題とは、体験した人以外は思い付かないと思います。)
         ・走行中にウィンカー・ホーンが両方使用できない場合、ヘッドライト・テールランプが点かない場合、ヒューズの接触不慮や
          ヒューズが切れている可能性があります。
         ・ヒューズが切れたり、接触不慮を起こしていても慌ててバイクを止めて、エンジンを切ると再始動できなくなる可能性があるので、
          修理できる場所まで移動してから、エンジンを切って修理してください。(走行中に、接触不慮がなくなる可能性もあります。)
          (ヒューズが切れても走行できるのは、IGコイルへの給電がヒューズの手前で行われている為です。)
        ※但し、上記の内容は初期型の現象及び配線図を基にしていますので、後期型があてはまるかは不明な為、お持ちの車両
         のリペアマニュアル等で確認してください。

                       写真:  2本サス初期のライトケース内     

      ・バッテリーの流用
         ・バッテリーは、純正品が相性・性能が良い?のかもしれませんが、価格が通常(国産・4輪)に比べると高めです。
          ですが、バッテリーも規格品の為、サイズが合えばカー用品店に有るような物でも使用できます。
          (但し、2輪用に制作されていないので、充電時の発生ガスや振動により、破損・腐食・劣化等の問題もあります。)
          また、使用する製品により車両又は、バッテリーケースに加工が必要になります。

        MEMO
         ・サイズ:A19L(規格品なので、これを言えば店員がどれか教えてくれると思います。
         ・新品のバッテリーで、すぐ使用出来る物が有りますが、一度充電してから使用した方がいいです。
         ・バッテリーの充電は、開放型専用品を使用し低電流で、時間を掛けて充電して下さい。急速充電や高電流で充電すると
          バッテリーが破損したり、寿命が短くなります。
         ・バッテリー充電時は、水素ガスが発生する為、屋外又は通気性のいい場所で行い、火気に注意して下さい。
         ・バッテリーを充電する場合、車両から降ろして行なうか、バッテリーケーブルを外して行なって下さい。
         ・最近では、BMWにも使用できるシールドバッテリー(別名:MFバッテリー)が、純正及び社外品が有るそうです。


      ・バッテリーの充電
         ・国産車で、エンジンを始動しアイドリングでバッテリーを補充電すると言うのは、ご存知かと思いますが、2V−OHVでは、
          この方法が出来ません。国産車の場合、低回転状態(アイドリング)でも充電を行っていますが、2V−OHVの場合、低回転
          状態(アイドリング)では、充電されません。2V−OHVの場合、アイドリングの状態は(約800〜1000rpm)に対して、充電開始
          の状態は(1200〜1500rpm)の為、アイドリング状態では充電が行われません。
          (アイドリング時の回転数を上げておけば、充電可能ですが、不経済です。)
         ・また、「バッテリーの充電に近所を30分程走ればいいか」と思われる方もいますが、2V−OHVの場合、発電量が極端に少ない
          ので、30分程度の街のりでは十分に充電されません。走行して、充電する場合は、高速道路を数時間走る位でないと、まとも
          に充電されません。(街乗りは、充電より消費が多いため、バッテリーに負担が掛かります。)
         ・バッテリーの充電方法として一番確実なのが、バッテリーを降ろして、充電器を使用して行うのが一番です。あとは、補充電が
          出来る充電器を使用して、乗らない間のバッテリー上がりを防ぐ方法もあります。

        MEMO
         ・バッテリーは、こまめにメンテナンス(バッテリー液の補水・比重の確認・端子間の電圧の確認・バッテリーの充電)を行うと、
          3年以上は、持つと思います。


      ・意外な落とし穴
         ・バッテリーを上げる原因として、ヘッドライトの消し忘れや、セルモータの長時間の使用又は多用、グリップヒータ等の電力の
          消費が多い物を使用する、長期間乗らない等があります。中でも多いのは、長期間乗らなかった場合のバッテリー上がりかと
          思います。ですが、3〜4ヶ月間乗らなくてもバッテリーが上がっていない、1ヶ月間乗らなかっただけでバッテリーが上がって
          しまった方もいます。実は、RSやRTに標準装備されている時計は、バッテリーから電源をとっている為、長期間乗らない間、
          時計がバッテリーの電気を消費し、バッテリーを上げてしまう原因に関わっているようです。

        MEMO
         ・長期間乗れないのが判っているのであれば、バッテリーの放電を減らすため、バッテリーのアース(−)を外しましょう。
          (冬場なら、バッテリーを降ろして、室内補完することをお勧めします。)



62   メータ関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー
ニュートラルランプ 12V 1.2W ←← ←←
オイルプレッシャ-ランプ 12V 3W
チャージランプ 12V 1.2W
ハイビームインジゲータランプ 12V 1.2W
ターンインジゲーターランプ
ブレーキオイル残量警告ランプ 12V 1.2W -- --
メータ照明ランプ 12V 1.2W
スピードの検出方法 ギアボックスからワイヤーによる ←← ←←
回転数の検出方法 カムシャフトからワイヤーによる
(機械式)
IGコントロールからの信号
(電気式)
←←

      ・メータの交換
        メータが壊れてしまい、オークション等で中古品の一体型のメータを入手する場合は、入手前に確認する必要があります。
        外観が同じに見えても、年式や車種によって各インジゲータランプの配置が異なります。
        たとえば、2本サス(初期?)ではブレーキフルードの残量を警告するランプがありますが、2本サス以降(後期から?)から
        は有りませんし、ウインカーのランプ配置やヘッドライトの位置(HiビームとLoビーム)を表示するランプも移動されています。
        また、異なる車種のメータが付くかは、不明です。
         MEMO
         ・関係がありませんが、古い車両にスピード警告灯(80Km以上で点灯)がついている場合がありますが、今の法律ではスピード
          警告灯がなくても車検が通ります。(以前は、付いていないと車検が通らなかったそうです。)
         ・メータの裏の配線は、ネジを外し引っ張ればゴムのコネクタごと抜けます。
         ・メータの裏の配線を固定するネジを締めすぎると、ネジ穴が馬鹿になります。(メータ側は、ただのプラスチック等の材質です)
         ・メータの脱着は、車種によって異なりますが、ハンドル側の3本のボルト・スピード及びタコメータ用のケーブル・配線を
          外すだけです。

             
         ・最初にタンク側に有るメーターのボルト(M10)3本を緩める。外す必要無し。(写真:左)
         ・ライト側から、スピードメータとタコメータのワイヤーを外し、メータを上にすこし引張り上げ、赤い矢印(写真:右)に有るネジ(+)を
          取り外す。(ビスを落としてなくさないように)
         ・メータステーに沿って、持ち上げメーター本体をステーより外す。(配線が付いたままなので、持ち上げすぎないこと)
         ・メータ配線のコネクタ(写真:右の青丸)を、小さなドライバー(−)で少しこじるように周りを外しして行き、メータ配線を外す。

      ・メータの修理
        メータが壊れた、マイル表示をKm表示にしたい、スピードメータのギア比変更(ファイナルギアのギア比を変更したとき)等を
        行う場合、国内のメータ屋(計器修理屋)さんにお願いすると、やってもらえます。ただし、メータの修理によっては交換した
        方が安くなる場合もあるそうです。ちなみに、メータのガラス部分の修理(交換)もやってくれます。

      ・スピードメータケーブル
        スピードメータのケーブルは、ギアボックスへ繋がっています。長い間乗っているとこの部分のゴムラバーが劣化し、ひび割れて
        しまい、そこから雨水等がミッション内に進入することがありますので、たまに確認して交換するなどの対応を行ってください。

         MEMO
         ・スピードメータケーブルとアースケーブルを固定するボルトは、特殊な物なのでなくさないようにしてください。
          (普通のボルトでの代用は、出来ません。)
         ・スピードの検出は、後輪側(ギアボックス)で行っています。車検時のメータ検査は、後輪で検査してもらってください。
         ・スピードメータケーブルが切れている場合、スピードメータがまったく動かないわけでなく、スピードメータがたまに
          思い出したかのように動いたりします。それは、切れたケーブル同士がたまに接触してメータを動かすからです。

         
            スピードメータケーブルのギアボックス側


      ・メータ内のバルブ交換
         スピードメータ内の各インジゲータのバルブを交換する場合、メータ本体を車体から取り外し、メータ本体の裏蓋を外して
        交換を行ないます。 (少し分解します)


      ・インジゲータバルブをLED化
         最近ではLED(発行ダイオード)が安価に購入出来るようになり、消費電力を抑える・バルブより明るくしたい・球切れに
        なりたくない等の理由で、バルブからLEDに変更しようとする方が多くなってきています。
        ところが、インジゲータランプを全てLED化すると充電不慮を起こします。インジゲータのGENランプ(チャージランプ)は、ただの
        ランプですが、実は、発電回路の一部として機能しています。もし、インジゲータランプをLED化したいと思われるのでしたら、
        GENランプ(チャージランプ)以外をLED化される方が良いかと思います。



63   ライト・燈下類関連   目次

      ・DATA

-- 2本サス モノサス パラレバー
ヘッドライトバルブ 12V 60/55W ←← ←←
ポジションバルブ 12V 4W ←← ←←
ウィンカーバルブ 12V 21W ←← ←←
テール及びストップランプ 12V 5W
12V 21W
(一部にダブルフィラメントバルブ使用)
12V 5W
12V 21W
←←






99   その他   目次